第9話
月曜日、Aチームのお昼の担当の日がきた。
副部長が今回の企画したお昼の放送は悠人と彩の2人で頑張ってみるようにハッパをかけてきたので悠人は俄然張り切っていた。
彩に頼ってもらえるいいチャンスだ。
悠人は、進行表を細かく作って、初心者の彩が困らないように配慮した。
このお昼の放送がうまくいけば、彩もきっと自信が持てて、部活が楽しくなるはずだと考えていた。
それで、時間を作っては2人で何度も練習を重ねてきた。
いよいよ本番。
彩はしっかりと進行表に従って原稿を読んでいき、落ち着いているようだった。
タイミングを計って、曲を流したり動画を流したり、彩との息もぴったりだった。
お陰で、約20分の放送はスムーズに終わり、手ごたえも感じられた。
悠人が終了後、両手で大きな輪を作ってオッケーサインを出すと、彩もホッとしたようににっこり笑っていた。
その笑顔が悠人はたまらなく嬉しかった。
2人で取材した、新婚ほやほやの村上先生のインタビューも生徒たちに大好評だった。
きっとこれで彩も自信がついたことだろう。
その後、『マシュウおじさん』宛に届いた手紙で悠人は確信したのだった。
そこには失敗を恐れず突き進んだ彩の喜びに満ちた文面が溢れていた。
――まだまだ未熟な私だけどこれからも頑張っていこうと思います。
マシュウおじさんも身体に気をつけて頑張って下さいね――
そう結ばれていた。
悠人は、嬉しくて泣きそうになるのだった。
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