第10話

「あ~あ、ドジっちゃったぁ」


「彩、緊張しすぎ、まっ、気にすることないよ」


「美玖が冷静すぎるんだよぉ」


「私、気づいたんだけど彩、部長に恋してるでしょ?」


「ち、違うよ、恐れ多くも部長に恋なんて……部長はね私にとっては王子様なのよ、つまり推しなの、前に話したでしょ。3年間崇拝している『大和様』 その『大和様』に部長がそっくりなのよ」


「ほぉ~」


「何よ、バカにしたでしょ」


「バカにしてないよ、感心したんだよ、夢中になれる人がいていいねって、そういう人、私にはないから、彩、推しの為に頑張ろうよ、落ち込んでる場合じゃないよ」


「……」


「そうだ、今からパフェ食べに行こう、美味しもの食べたら元気出るよ」


「うん、賛成、行く、行く」


 校門を出て暫く進むとすぐ右手に朝日公園がある。

公園に隣接して私立図書館がありその図書館の隣に『シュシュ』という雑貨屋がある。

その雑貨屋内に最近おしゃれな『来夢らいむ』というカフェが出来た。

中に入るとまず目に飛び込むのは壁面いっぱいに広がる木製の世界地図。

そのインパクトに誰もが驚く。

又、おしゃれな雑貨があちこちに飾られて店内の雰囲気を盛り上げている。

この空間が彩と美玖をすぐに虜にしてしまった。

学生が良く利用することもあり値段も学割があり彩達にとっては懐にも易しくお気に入りのカフェとなっていた。

               

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る