第6話
翌日、彩と美玖は改めて放送部の部室に行った。
顧問は40代の国語総合の山本先生で放送部とも長い付き合いらしい。
普段は生徒に任せきりだが大会の時には厳しく指導が入ると副部長から聞いていた。
今年の新入部員は今の所なんと彩と美玖の2人だけだった。
3年生が3名、2年生が3名、1年生が2名、計8名の部員で部会が開かれた。
部長は大野
副部長は例の相原由紀 肩まで髪を垂らし顔立ちが凛々しい。
部長、副部長は前年度から決まっていたのでそのまま続行。
他に3年生の泉瑛太、2年生は白石亮、落合悠人、水野春香だ。
部員の自己紹介と新入部員の自己紹介が終わると放送部の一年間の活動内容などの諸々の説明が続く。
学校行事や昼の放送・体育祭や文化祭の司会・番組制作(ラジオドラマ、テレビドラマ、ラジオドキュメント、テレビドキュメント)・大会に向けてのアナウンスや朗読の練習、そして毎日行う発声練習、滑舌練習等々。
意外と色々やることがあるんだと彩はボォっとして聞きながら部長の大野洸が気になっていた。部長は切れ長のスッとした目をしている。おまけに眼鏡をかけている。
彩が今ハマっているコミック漫画の主人公に似ているドンピシャのイケメンだ。
彩が3年前から推しと崇めている『大和様』が目の前に現れたのかと思ったほどだ。
これは彩にとって一大事だった。もう夢心地で部長の説明を聞いていた。
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