第5話
案内されて入った部室には4人の先輩だろう人達がいた。
「ここは放送部の部室なんだけど、どっちの部が希望なの?」
美玖はすぐに
「はい、放送部です」と元気よく言った。
「なるほど、それであなたは?」と聞かれた彩は咄嗟に
「あっ、私は……私も放送部です」と言ってしまった。
美玖が、えっ!って顔で彩を見る。彩は目で合図して頷く。
「良かったぁ。演劇部は人気あるんだけど放送部に入る人少なくて今年はゼロかと思ってたのよ。私は相原由紀、3年生で放送部の副部長よ。宜しく!部長はまだ来てないので今度紹介するね」と満面の笑顔で言ってきた。
「私は中村美玖です。宜しくお願いします」
「私は松本彩です。宜しくお願いします」
と挨拶し結局、彩も放送部に入ることになった。
この場所が放送室で校内放送などはここで行われ、基本放送部の部室としても使っている。演劇部は別に部室があるらしい。
簡単な放送部の活動内容を由紀から聞いた後、明日、部会を開くので改めて部室に来るようにと言われ二人は部室を後にした。
「彩も放送部なんて嬉しい。一緒に入りたかったのよ」と美玖は嬉しそうに言う。
「なんかねぇ、よく分かんないんだけど副部長って素敵な人だなと思ってたら私も放送部って言っちゃったんだよね」
「分かる、分かる。めっちゃ綺麗な人だよね。あの雰囲気一目見ただけで憧れちゃうわぁ」
「部長はいなかったけど先輩達もみんないい人そうだったよね」
「部長、どんな人か楽しみだね」
「かっこいい人だったらいいな。そしたら私、絶対部活頑張る!」と彩。
「じゃあ、かっこいい人じゃなかったら頑張らないわけ?」
「そういう訳じゃないけど、頑張る度合いが変わるかな」
「もぉ、彩ったら、でもそういう正直なとこが彩らしくていいんだけどね」
「それ、けなしてるの?」
「いいや、精一杯の褒め言葉よ」
「ここはありがとうって言うべきかな」
「そう、ありがとうって言いなさい」
二人は他愛無いおしゃべりに大笑いしながら学校をあとにした。
彩は放送部の入部も決めてこれからの高校生活に夢膨らませるのだった。
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