第三話 猫
その日の学校終わり、いつもなら凛夏と一緒に家へ帰るのだが、今日はなんだか気分が乗らなかった。
今日潤に聞かれた、俺と凛夏の関係は難しい質問ではないのだろうが、どこかひっかっかる。
凛夏にも色々事情はあるのは分かっているのだが、やはりいつまでもこのままでは入れないと思うのもある。
ただ、事情を解決して、凛夏と一緒に入れなくなるのは少し寂しい。
まあ、でも少なくとも、その時はまだまだ先になりそうなので考えないことにした。
と、そんなことを思っていたところで、ちょうど、凛夏が後ろから「優君帰ろ」と声をかけてきた。
「おう、帰るか」
と、そう返事する。
「今日一日中深刻な表情して過ごして立って聞いたけど何かあったの? 優君」
「特に何もなかったよ?」
「そう? まあとりあえずは信じるけど、本当に何かあったら絶対に言ってね」
「うん。今日は本当に何もないから大丈夫、また何か困ったことがあったらいうよ。ありがとう心配してくれて」
ほんとに凛夏は過保護だと思う。いや、心配性なのかな? まあどちらにせよ優しいよな。
「あ、そういえば、今日の夕ご飯何にするの? お腹すいたなー」
「ん-今日はー、じゃあカレーにするか」
「いいね。私もカレーがいいって言おうとしたの」
と、とびっきりの笑顔でそう答える。
無邪気だな。そう心の中で思うのだった。
*
それから、家についた俺たちは、話のとおり、カレーを作り、いま食べ終わっていたところだった。
お互いお風呂も入り終わり、リビングでスマホをみたりテレビを見たりして、まったりとしていた。
今日考えごとを一日中していたせいか、とても眠くなってきたので、凛夏に一言告げてから寝ることにした。
「ふぁあー、もう十一時だなそろそろ寝るわ」
「んーそうだね、そろそろいい時間だし、私も寝よ」
そういうと彼女は「おやすみ」ととびっきりの笑顔で言い先に自室へ向かっていった。
ほんと、ツンデレだったり、甘々だったりで猫みたいな気ままな性格だよなあ。
捨てられた猫系女子を拾ったら毎日迫られてます 猫飼 ねこ @nekokaineko
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