第49話城田亜梨沙の告白
「亜梨沙姉ちゃんあの時の事だけど」
「気にしないで、こうやって彰人君の元気な姿を見れて私も嬉しいから」
「私が彰人君の力になれたらもっとよかったのに」
「それで何か用なの、亜梨沙姉ちゃん俺の携帯番号知ってるよね」
「うん知ってるけど、直接会って話したい事だったから」
「話したい事」
「うん彰人君覚えてるかな、前に私がカラオケで伝えた事」
「カラオケ……? 亜梨沙姉ちゃんと俺カラオケなんか行った事あるっけ」
「あるよ、ほら冬華さんが生きてた頃、久遠ちゃんと私と彰人君と冬華さんの四人で」
「……はは」
「冗談だよ亜梨沙姉ちゃん覚えてるよあの時は四人で一緒に楽しんだもんね」
「あーきとくーん」
「髪をぐしゃぐしゃにしないでくれよ」
「全く彰人君はなんにも変わって……背伸びたね」
「そりゃまともに一年以上会ってなかったからね、姉さんの葬式の時だって俺は抜け出したし」
「亜梨沙姉ちゃん……?」
突然亜梨沙姉ちゃんは強く抱きしめてきた。
「私さ彰人君が辛い時何も出来なかった自分が嫌いなの。冬華さんの葬式の時に彰人君を追わなかった事をずっと後悔してた」
「亜梨沙姉ちゃんが気に止む必要はないよ」
「彰人君……」
涙を流す亜梨沙姉ちゃんの唇と触れ合う。
「亜梨沙姉ちゃん!?」
「突然ごめんね、でも言わせて。私は彰人君と会って以来彰人君の事が好きだった、今日は告白する為に部屋に来たんだ」
「嘘とか冗談じゃないよね?」
「私が嘘や冗談を言う人間に見える?」
「亜梨沙姉ちゃんの告白は素直に嬉しいよでも亜梨沙姉ちゃんなら俺よりももっと」
「私は彰人君以外に好きな男の子なんかいないの」
亜梨沙姉ちゃんにホテルのベッドに押し倒される。
「彰人君、私の事抱いて……?」
「は!? 何言ってんだよ亜梨沙姉ちゃん。自分が何言ってるか分かってんの」
「分かってるよ、けど彰人君には他に好きな子がいるって知ってるから」
「何言って」
「まだ冬華さんの事忘れられないんでしょ」
「……知ってたんだ」
「うすうす感じてはいたんだ。彰人君が冬華さんを見る目が私と久遠ちゃんと違うなって」
「彰人君私じゃ冬華さんの代わりになれない……?」
亜梨沙姉ちゃんの目はうっとりとしていて、唇が触れ合うギリギリまで迫ってくる。
PrrrrrPrrrrr
突然ベッドに置かれていたスマミフォンから着信音がホテルの部屋に鳴り響く。
「亜梨沙姉ちゃん電話でないと」
スマミフォンを取ろうと手を伸ばすが、亜梨沙姉ちゃんの腕に阻まれた。
「電話なんか出なくていいよ」
「亜梨沙姉ちゃん……」
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