第24話部屋を荒す女子 クローゼットの写真

 

 画面は椎名胡桃と表示されて、画面にはセンパイ今電話できますか?とメールが届いていた。


「ちょっと悪い、今から電話してくる」


 俺は部屋にいる久遠、御嬢瑞希、愛刀天花に伝えて部屋を出ていき、下に降りてリビングに入る。


「彰人、勉強会してるんじゃなかったの」


「ちょっと私用の電話」


 リビングには母さんが台所で夕飯の準備を始めていた。


 気にせずスマミフォンの電源を入れて、連絡先に表示された、椎名胡桃の名前を横にフリックして画面が通話中に表示される。


 耳にスマミフォンをあて、数回のコール音が鳴り響いた後、椎名胡桃の声が聞こえてきた。


「センパイ!? メールに返事くれないから電話しちゃダメなのかなって思ってました」


「いや、メールするのも面倒くさいから、直接電話したんだが。何の用だ?」


「あの昨日話したデートの件ですけど、時間とか場所決めときたいなって」


「ああ、悪いそれなら夜またメールするから、その時でもいいか?」


「私は構いませんけど。今忙しいんですか…?」


「いやちょっと勉強会中でな、もうすぐ学校で中間テストがあるから、今部屋で授業の復習とかしてるんだよ」


「勉強会? もしかしてセンパイの部屋でですか……」


「そうだけど」


「誰と勉強してるか聞いてもいいですか」


「久遠と御嬢瑞希と愛刀天花」


「愛刀天花ってあの愛刀天花ですか!?」


「お前が言っている愛刀天花かどうか分からないがアイドル兼女優を勤める愛刀天花だ」


「なんでセンパイの部屋に愛刀天花がいるんですかていうか友達だったんですか」


「いや、学校の先輩でこの前色々とあったんだよ、どこからか聞きつけてみたいで、一緒に勉強会する事になったんだ」


 椎名胡桃の携帯からガサゴソと物音が聞こえてくる。


「おい、急に何か物音しだしたけどどうした」


「センパイちょっと切ります、今から急ぎの用事思い出しましたので」


 電話を突然切られる、かけ直しても数回のコール音の後に留守番電話に繋がった。


「……? まあまたかけ直してくるだろ」


 俺はスマミフォンをポケットに入れて、部屋に戻る、部屋は勉強会ではなく、俺の部屋を荒らしている途中のようだった。


「何してる……三人とも」


「にいにもう電話終わったの!?」

「彰人様、こんなに早くお戻りなるとは」

「彰人君」


 久遠は俺のタンスから下着を持ち出し、御嬢瑞希は机に置いていたノートpcを開き〇ロゲを起動して、愛刀天花は本棚に隠していた〇〇本を数冊手にしていた部屋に戻って来た俺に気付いて驚く顔になっていた。


「にいに、これには訳があって」


「いいから久遠、まずは持っている俺の下着をタンスの中に仕舞おうか」


 部屋の床は出された下着で溢れ尽くしていた、一体俺がいない数分の間でどうやったらこんなに散らかるんだ。


 久遠は観念して床の下着と持っていた下着を綺麗に畳んでタンスの中に片付ける。


「それと君はそろそろpcの電源を切ろうか」


 御嬢瑞希は久遠が片付けるのを見ていた途中までに〇ロゲの〇〇シーンまで進んでいた、俺は気付いて食い止めようとするが御嬢瑞希は止める気が全くない。


「彰人様はこんな胸が育った女性が好きなのですか、私はこんな女性よりも彰人様を愛しますけど」


 御嬢瑞希の胸はまだまだ発展途上と言うべきか、久遠よりも胸の発育が少しいいとは言えない、いや今気にするのそこじゃなくてだな。


「確かに彰人君は胸が大きい女性の方が好きみたいだね、この本達の女性も全員胸が大きい」


 本当止めて……なんで俺がいない間にこんな恥ずかしい思いしなきゃいけないの。


「こんな物いらないよね彰人君」


 愛刀天花は笑顔で答えると、どこから出したのか紐を取り出して、俺の大事な〇〇本を本棚から全て取り出して紐で縛る。


「彰人君押さえつけてて、これお母さんに渡してくるから」


 愛刀天花は縛った〇〇本を持ち、部屋から出ていこうとする、止めようと手を伸ばすが、久遠と御嬢瑞希に床に押さえつけられた。


「二人とも、どけ」


「彰人様いけません、あんな物捨てないと」


「にいにこの前捨てたのに。また買ってきてたんだ」


 まさかたまに俺が買ってきていた〇〇本無くなっていると思ったら、久遠お前が捨ててたのか。

 女子に手をあげるなんて事はできず、俺は持っていた全ての〇〇本を捨てられてしまった。


「うっ……ごめんよ」


 捨てられた〇〇本の事を考え再開された勉強会に集中なんてできず、俺は泣いていた。


「彰人お客さん」


 母さんが部屋にやってきた、母さんの後ろには椎名胡桃が私服を着て立っていた。


「センパイ、私も勉強会に参加します」


「……椎名胡桃」


「……女狐」


「?」


 久遠と御嬢瑞希は椎名胡桃と一度会っていたので、分かるが愛刀天花は誰という顔をしていた。


「いや、お前勉強会するってもう遅いだろ」


 時間は夕方の六時を過ぎようとしていた。


「だったら勉強会は終わらして、皆で夕飯でも食べましょう」


 母さんの案でリビングで勉強会をしていた全員集まっていた、どうやら母さんは全員分の夕飯を用意していたらしい。


「美味しいです、お母さん」


「まあお嬢様にそんな事言われると私も嬉しいわね」


「センパイご飯よそいましょうか」


「悪いな」


 俺は茶碗を炊飯器の近くにいた椎名胡桃に手渡した、椎名胡桃は俺が食べたい分だけご飯をよそって俺の手に渡してきた。


「サンキュ」


 夕飯は何事もなく終わり、今日の勉強会は終わり、皆帰ろうとしていた。


「それでは彰人様また明日」


「ああそれじゃあ」


 御嬢瑞希は迎えの車を電話で呼び、迎えが来た車に乗り窓から俺を呼ぶ、実はこの中間テストが始まるまでの期間、俺達は毎日俺の部屋で勉強会を開くことになってしまった。


「久遠様もまた明日の朝お迎えに参りますわ」


「うん、それじゃあまたね瑞希ちゃん」


「センパイそれじゃあ私達もこれで」


「送っていかなくてもいいのか?」


「愛刀さんと帰り道同じなんで大丈夫です」


「そうか」


 椎名胡桃と愛刀天花は夕飯で話していて意気投合したのか仲良くなっていた、まあいいって言ってるし、大丈夫か。


 走り去る車と椎名胡桃と愛刀天花を玄関で見送り、俺と久遠は家の中に入る。


「にいに、今日はお風呂一緒に入る日だよね」


「え? そうだったけ」


 話していなかったが久遠とは別々に風呂に入る事にはなったのだが、久遠からの提案により月に二回お風呂を一緒に入らなければいけなかった。


「そうだよ、もう私準備終わってるからにいにも早く部屋から持ってきて」


「はい、はい」


 仕方なく久遠に従い、階段を上り、部屋に入ろうとした時脱衣場にいる久遠が叫んできた。


「にいにー、私の部屋から戦隊物の入浴剤一個持ってきてー」


 久遠に言われ、この前までは俺と久遠の部屋だった扉を開けて入る、まだ模様替えなんてしていなく、俺がいた時のままだった。


「えっとここだっけ?」


 いつも久遠はクローゼットの中に買ってきた戦隊物の入浴剤を入れていたので、クローゼットの中を開ける。


 下に一個あったので、それを取り、クローゼットを閉めようとすると、上から何かが落ちてきた。


「アルバムか」


 久遠に悪いと思うが今日あった事を思い出して、仕返しのようにアルバムを開くと、久遠と俺のツーショット写真がアルバムの中に飾られている。


「懐かしいな」


 最近写真を見直したがそれとは違った久遠とのツーショット写真だった。


「やっぱ悪いよな」


 悪いと思いアルバムを閉じようとした時、アルバムの最後のページに違和感を覚えた。


「俺と姉さんと久遠の写真」


 写真立てに飾ってある姉さん、俺、久遠の写真が最後のページにあったのだが、姉さんの顔だけ、黒く鉛筆で塗り潰されていた。


「にいにー? 遅いよ」


 脱衣場にいた久遠の声がそこまで聞こえてきた、俺は焦って、アルバムを落とした、拾う時間もなく、クローゼットをそのまま閉めてしまった。


「悪い、どれにしようか迷ってな」


「どれでもいいよ、ほらにいに早く入ろ」


 久遠が部屋にまで入ってくると、俺の背中を押して、部屋の電気を消す。


 そのまま久遠に背中を押されたまま脱衣場まで連れていかれ、久遠と一緒に風呂に入る。


 久遠よりも先に上がって、今日は早めに寝ようとしたのだが、写真の事があって中々寝付けなかった

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