神頼み

 まるで花が咲くようだ。


 使い古された常套句すら口にできない自分に腹が立つ。だって、目の前の君の、私の愛おしいひとの笑顔は何より綺麗で暖かい。

 その笑みひとつで、私の身体は蛇に見つめられた蛙よりも固く強ばりそしてあまりの悦びにうち震える。


 私は不器用で、意気地もないから。君にこの想いを伝えることは出来ないけれど、それでも、君のその表情を見る度思うんだ。


 その笑顔はどんな宝石にも勝る、私だけの宝物。

 神様、お願いです。どうかその輝きが、失われませんように。

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超短編恋物語 東雲れい @Mani-Mani

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