【6話 手掛かりを求めて】
マサルンとンザールゥは赤い外壁の家に近づいていく。
マサルンの家は下から照らされる光が弱まっている為、外装がうす暗くなっている。
そして、マサルンは眉をひそめながらンザールゥを見つめた。
「まだアーノルド君を探すの続けた方が良いかな? かっこ冷や汗」
ンザールゥは眉尻を上げながら小さく拳を
「ここでやめたら見殺しになっちゃうミャ」
「でも、警察から情報得れなかったし、オレ達だけじゃ厳しくない? かっこ冷静」
「お空が暗くなるまで頑張ってみるミャ。まずは、サラさんのおうち周辺で情報集めるミャ」
腕を組みながら眉をひそめるマサルン。
「うーん、そうだなぁ。もう少しだけね、かっこ冷や汗」
マサルンは近くの島に建てられている家に指をさす。
「まずは、あの家から調査してみよう、かっこ冷静」
「調査ミャー」
ンザールゥは拳を突きあげながら微笑む。
マサルンとンザールゥは石材で作られた大きな家の近くまで行き、地面にゆっくりと下りていく。
家の大きさは他の家と比べたら大きくて、大家族が住むのに適していた。
そして、マサルンは目の前の家を見上げる。
「おっきな家だな、かっこ冷静」
微笑みながら家を見上げるンザールゥ。
「きっと食料もいっぱいあるミャー」
玄関の扉の近くには呼び鈴装置が
マサルンが人差し指でボタンを押し込むと、呼び鈴装置と家の中から愉快な音が流れる。
しばらく経つと、女性の声が呼び鈴装置から聞こえてきた。
『はい、なんですか?』
姿勢を正しながら呟くマサルン。
「突然すいません。あのーちょっとお聞きしたい事があるのですが、お時間ちょっとよろしいでしょうか?」
『ダメです』
「えっ!?」
呼び鈴装置は物音を一切出さなくなる。
マサルンは呼び鈴装置に向かって目を見開きながら叫ぶ。
「あの! ちょっとだけでいいので!」
肩を落としながら尻尾を下げるンザールゥ。
「冷たい人だったミャ」
「オレ、なにも悪い事して無いよね? かっこ涙目」
「きっと夕ご飯の準備か食べてる最中で時間無かったミャ」
「うーん、そう願いたいね、かっこ冷や汗」
マサルンは細めた目をンザールゥに向ける。
「ところで、すぐにそんな発想に辿り着けるって事は、もしかしてンザールゥ、お腹空きすぎて
「ミャッ!? お腹ペコペコなのは否定できないミャ。でもそこまで自分勝手な事するわけないミャ!」
「そうか? ンザールゥだったら満面の笑み浮かべながら他人と一緒に夕食囲むのに抵抗なさそうなんだけど、かっこ笑い」
首を
「ミャー、夕ご飯の種類によっては我慢できないかもしれないミャ」
「食いしん坊、かっこ真顔」
マサルンは肩を落としながらため息をつく。そして、笑顔を浮かべながら拳を
「今回は残念ながら上手くいかなかった! でも、次こそはきっと! かっこ決め顔」
小さく飛び跳ねながら拳を突きあげるンザールゥ。
「ミャー! それで、次って言っても、どこのお家に行くミャ?」
マサルンは額に手をかざしながら周囲を見渡す。そして、一番近くに吊るされている島を指さす。
「あそこにしよう! かっこ決め顔」
「ミャ? あのおうちを選んだ理由は何かあるのかミャ?」
「いい質問だよンザールゥ君。あの家を選んだ理由を聞きたいかね? かっこニヤリ」
笑顔を浮かべながら尻尾をくねらせるンザールゥ。
「ミャー、教えて欲しいミャー!」
マサルンは目を腕で隠しながら語気を強める。
「人に聞く前に、まずは自分で考えるって事をしないのかね、この
「あきらかにさっきの言葉は聞いて欲しいって意味にしか聞こえなかったミャ!」
目をつむりながら腕を組み、尻尾を先を小さく揺らすンザールゥ。
「きっと素敵な観察眼を使ったミャ。あのおうちなら情報を教えてくれる人が居るって事を見抜いたんだミャ!」
ンザールゥは微笑みながら拳を二つ口元に
「そんな事が出来るなんて、やっぱりマサルンは凄いミャ!」
眉尻を下げてふぬけた顔を作るマサルン。
「え? ここから一番近い島にある家だからだよ? たとえ優れた観察眼を持っていても、家の中の様子までは分からないでしょ、かっこ苦笑い」
ンザールゥは無表情のまま口を動かす。
「すてきなりゆうミャー」
「素敵すぎて、尊敬しちゃうでしょ? かっこ
「シンプルなのに奥が深い言葉のように感じたミャ、
マサルンは眉尻を上げながら近くの島に向けて指さした。
「そんな事してる暇あったら、さっさと次の家に向かうよ! 急がないと! かっこ真顔」
眉尻と尻尾を下げながら硬い笑みを作るンザールゥ。
「そっちが聞いてきたんだミャー!」
マサルンとンザールゥは体を宙に浮かばせると、一番近い島に向けて空の中を移動していく。
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