第2話 制限時間2時間の

「今回はな.....ちと厳しいぞ、制限時間はたった2時間じゃ」


 その制限時間の短さに、一同、ギョッとなったが、異議を申し立てたところで、無駄足に終わる事など重々承知だった。


「かしこまりました!では、暫しお待ち下さいませ」


 執事は、使用人達を手分けし対応するよう指示していると、見慣れぬ中年女性が目に入った。


「私は、今日からこちらのメイドに雇って頂きました、坂元和子です。よろしくお願いします」


「ああっ、こんな制限時間が短くて忙しない時に新人とは!」


 時間に追われ焦っている執事。


「皆さん、慌ただしくしてますが、私は何から始めましょうか?」


 焦燥感に苛まれている時に、新人のおっとり口調が癇に障る執事。

 

「メイドの仕事は、台所にいるメイド長の井口さんに尋ねるように!」


 坂元を一応台所まで案内し、いそいそと廊下に消えた執事。


「井口さん、新人の坂元和子です。よろしくお願いします」


「あっ、はい、よろしく!今、非常時だから、手短に話すから、しっかり聞いといて!御主人様の気まぐれで、さっき謎解きが始まったの!謎が解けたら、10万円の報奨金が貰えるけど、それより問題なのは、解けなかった場合は連帯責任でイエローカード渡されるって事!もう既に4枚もたまってて、5枚でクビだからね、みんな必死なの!あなたが頼みの綱となってくれたら助かるわけだけど!」


「つまり、皆さん達は4枚溜まっているから、今回落とすと全員クビで、私は今日が初回だから、私だけは、クビにならずに済むって事ですか?」


 自分だけは安泰という余裕の笑みが坂元の顔中に現れた。




 

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