じゃあ「おもしろい」ってなんだろう? なんで書籍化しないんよ?
割と本質的な問いだし、そこを考えて書いていくのが書き手としての使命、という感じもするんだけど……
この前、出版社の編集者と書籍化の作品を選ぶ時のポイントについて話していたんだけど、そこで聞いたのが「冒頭数話(字数はぼかすけど1話/プロローグ~MAXで6.7話くらい)でキャラクターが生き生きとしていて展開にテンポがあって引き込まれる作品」に+として「コミカライズを考えたときに映像が見えてくるもの」を挙げてたから共有しますー!
つまり…冒頭で
・キャラクターが立っていること
・(どういう物語か、という大枠を示したうえで)展開がテンポがいいこと
・コミカライズした時に売れそうな要素があること
ここらへん。
(キャラクターに動きがあり、映像映えすることなのかな、という風に現時点では理解しています。ごく個人的には光量の有無で見てしまうので、言語化が難しい……ごめん!)
冒頭でのかたちは
描写>説明
こう。
あとはキャラクターで惹きつける。
最後まで読めばおもしろさが分かる!
という主張は否定しないです。
否定はしないけれど「書籍化を目指したい!」「編集者に気に入ってもらえるにはどうしたらいいか?」という部分を考えている場合は意識しておいて損はないかなーと思っています。
(ぶっちゃけると、今の売り方としてはコミックスを売り出すことで書籍も売り上げを伸ばしていくというかたちです。漫画強い…!)
もいっこ!
読者からも「おもしろい!」って言われているのに書籍化しないのはなぜ??
ここはいろんな原因があります。
ざっくり書くと
・その読者が書籍化という立脚点ではなく「おもしろい」という感想を伝えている場合(※1)
・探している編集者が自分の担当分野と外れる場合
→たとえば今私は今7:3くらいの割合で女性向けのライトノベルを担当しています。(3割が男性向け)
で、出版社に「これどうですか?」とあげるのは99%女性向けです。
(出版社から「女性向けの作品を中心に探して」という指示が来ているので…)
なので、男性向けの書籍化しそうな作品を見つけても「ごめん! まだ私に力がないし担当外だから他の編集者が打診してー!」ってなります。
・書籍化したことがない書き手だとチャレンジ枠なので、ほかに堅実に仕上げられる作家がいる場合はそちらが優先されてしまう場合
うむむ……うむ、どうしても「会社」として売上を出すために回しているので……ごめん!
・編集者(=のちの担当編集者)から見てテンポや雰囲気やキャラクター造形が合わない場合
好き/嫌いという観点だけで選ぶことはないし、「○○担当してね」という風に指示があった場合はどんなに苦手なものでも(※2)担当しますが、それでも「なんか説明だらけだなぁ…」とか「キャラクターが合わないなぁ」という場合は、どんなにポイントが高くてもランキングで上位にいてもごめんなさい、することはあります。
こんな感じです。
参考になればぜひ!
※1…念のために言っておくけど、「読者も書籍化という視野で感想を述べなければならない!」という意味ではないよ。読者の感想は宝やで。
※2…ありがたいことに、指示があった作品、どれも好みで楽しく書籍化を進めることができました。
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