第5話混沌

俺、来月誕生日なんだよねと

リコに言った。


リコは

私先週誕生日だったよ。と


なんで言わないんだよ

なんで

誰と居たんだよ

仕事してたのか?

何を貢がれたんだよ


思うだけ口には出せない


自分の感情がわからない

リコを自慢したい

どこかへ出かけたい

もっと一緒にいたい、


だけど、俺はリコに冷たい

酷い態度ばかり


リコは何日なの?と

自分の誕生日は何もしなかった彼氏に

聞いてきた。


何が欲しい?と


なんなんだよ?俺は思いながら


オレはグッチの財布と答えた

リコは、ニコっとした。


リコは初めて特別に思えたのに。

今まで、付き纏う女にしてきた

態度しかできない、

ガキだな?と思われてるんだろうな?

好きな子をいじめる子供だ、俺は


誕生日の日リコは仕事を休んでわざわざ、俺の所にきた


おめでとうと。

2つプレゼントを渡された

2つ?

グッチの長財布と2つ折りの財布だった。


どっちが良いかわからなくて。

だからリョウが使わない方を私が使うねと


本当にグッチを買ってきた

2つも、

リコにとっては安いもんなのか?

客にねだって買ってもらったのか?


嫉妬が俺の中でパンパンになり


俺は

プレゼントを投げて返した。


いらねー


ただそれだけ言って。


リコは黙ってプレゼントを拾った。

リコはため息をついて

そして


本当は何が欲しいの?と聞いて来た


俺は、リコだよ。と思った

今までの女は皆んな俺にべったりだった

リコは、俺が掴もうとしても

まるで、すり抜けるようで




指輪


と答えた

ただ、指輪が欲しかったわけじゃない

安くていい

リコとお揃いの指輪がほしかった。


俺がこんな事思うなんて

モテなくなるから指輪だけは避けてきたのに


だけど俺は

俺は指輪を買いにいった。

お揃いの

みっともない、とも思った

恥ずかしくて

照れ臭くて

だけど、必死にえらんだ

リコを思いだして

リコの指はとても細いから1番小さいサイズなのはすぐ分かった。


次に会ったら

リコの指にはめて謝ろう。

そしてちゃんと言おう

リコが大好きだと

リコが凄く大切だと

リコをもう泣かせないと


俺はしっかり指輪を持って待ち合わせ場所に行った。


だけど


リコが直ぐに

はい、と、小さな箱を渡してきた

開けると流行りのブランドのメンズ仕様の

指輪が一つ入っていた。


俺は自分が惨めだった

リコの気持ちもわからない

自信も、もう無い


俺はその箱を握り締め

悔しくて、


真っ直ぐなリコ

気を使うリコ

我慢するリコ

泣く、、、リコ

泣かせる、俺


要らない。



俺はそれだけ言い、指輪を地面に置き


俺がプレゼントするはずだったら指輪は、ポッケの中のまま



俺はリコを置いて帰った






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