第12話 神の子降臨!!【神回】

ついに主役登場である。


サグラダファミリアのイエス・キリストをご紹介できる日がようやく訪れた。


かつてイエス様と崇められていたイエスは今、このサグラダファミリアの人柱、語弊なく表現すればスケープゴートとなって大変辛い十字架を担ってくれている。


通り名をインマヌエルから改名し、「スケープゴート・イエス」としたのは、改名記者会見が行われたからすでにご存知だと思うが、今日はこのスケープゴート・イエスについて詳しく掲載していきたい。


スケープゴート・イエスはイスカリオテのユダの弟分でもある。ユダが右に行けと言えばそこが湖だろうが、海だろうが、飛び込まなければ渡れないような火の海だろうが飛び込む。忠実な犬とアンデレは笑うが、イエスとユダの関係性はそんな単純なものではない。ユダに逆らったらアンデレにも睨まれ、マタイには給料カットをされる。


そんなこともわかっているくせに俺のことを笑いやがって、あいつら絶対最後の審判で地獄に落としてやるからな。


イエスにも五分の魂である。恨みをチャラにできるようなリアルイエスではない。なぜなら彼はインマヌエルではなくスケープゴートイエス、つまり弱い子羊でしかないからだ。


弱さゆえに口癖は「ごめんね」だ。しかしそれに気づいているのはユダだけである。


ユダのスケープゴートにされたがためについた謝り癖を、ユダが「いいよ」と微笑んで許せばサグラダファミリアに平和が訪れる。


「俺が平安があるようにって祈ってやってるおかげだっていうのに、チクショー」


ユダは女王様だ。でも最後には絶対にパパがなんとかしてくれる。え?なんでかって?それは俺が神の子だからさ!!

あ、あれ?ちょっと喉の調子が悪いな、、、発声練習怠ってるからな。


ひとり原稿チェックに余念のないスケープゴート・イエス。

後ろでその様子を動画に収めるアンデレ。


昼休みにアンデレとシモンペトロ、ヨハネがマクドナルドをかぶりつきながら動画の編集作業を行う。


「趣味とかある?」

イエスが答えて言う、

「俺?俺は映画かなあ。けっこう面白いのあってさあ。シモン・ペトロは?」

「絵を描くこと、、、?かな」

「そんな趣味あったんだ」

「う?うん。テクノロジーの発達で俺みたいに絵が苦手なやつでもけっこういい感じで描けるんだよね」

「へえー!いいね!」


シモンペトロのいう絵を描くこととはもちろん動画編集のことである。

どこで使えるかわからないが、面白いものはストックしておく。語弊なく表現すれば、何に利用できるかわからない、弱みはストックしておく。







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