第18話 本当の冒険が始まる
金書庫に着くと先ずは魔法系アイテムの本を探した
膨大な書物に気が遠くなる
「とにかくコツコツやっていくしかない。前のダンジョンのように知識がないと命を落としかねないし」
一冊一冊手に取りパラパラと中身を確認していく
「この世界にはポーションの種類も結構あるんだなぁ」
ーー小傷用ポーション
効能 : 小さな傷口を塞ぐ安価で販売されている 薬草から簡単に生成可能
ーー痛み用ポーション
効能 : 突然の頭痛、生理痛に即効く 連続使用は6時間以上空ける 空腹時使用厳禁
「いやこれ、ロキ○ニンじゃ。。。」
ファンタジーのポーションてもう少し万能感があると思っていたが、思いの外細かく分けていることに笑えた
「これは魔法アイテムの本かな?」
ーー魔法の包丁
効果 ; どんな硬い素材でも切れる 但し、魔法のまな板を使用しないとまな板ごと切断してしまう
ーー魔法の鍋
効果 : どれだけ強い火力で長時間食材を煮ても変形することがない
僕は本のタイトルを見た
『一流の料理人が憧れる!魔法の調理器具集』
「いや、この本魔王城に必要か!?なに置いてんだ魔王は!」
本を本棚に雑に戻す
「おっこの本いいね」
『ダンジョンで使える魔法のアイテム集』という本を手に取り開いた
ーー導きの光
効果:ペンダントの魔石に光の魔法を発動させる術式が組み込まれている。使用すると使用者の頭上前方に光の玉を浮遊させ暗闇を照らすことができる。
但し、使用者の魔力が尽きると使用不可
ーーインビジブルスペース
効果:野営で使える簡易テントしかし、内部は魔法空間になっており家具など収納、配置をしておくことが出来る。さらに使用者が中に入ると外から見えなくなり、認識疎外の効果も発動する
但し、防御力自体は皆無。少しでもダメージを受けると即壊れる
ーーアクエリアスの恵み
効果 ; 無限に水を生み出してくれる革製の水筒 但し使用者の魔力によって水を産む
「なんかアイテム名がそれっぽい!!! なんか全然今までと違うし!!ていうか全部欲しい!! 魔王持ってないかな?」
その後も様々な本と睨めっこした
世界の歴史、魔族史、人類史、魔法の種類などなど
役に立ちそうだった本はこっそり魔法のバックに忍ばせた
最後にモンスター関連の本を探した
『ダンジョンで確認された魔物集』と言うなんともありがたい本を見つけた
「ダンジョン別になってるのか? そもそもダンジョンに名前があったのか…」
知らないことばかりだったと改めて無知を嘆いた
ページを捲るとイラストと説明が書いてあった
『アークデーモン』『アシッドアンツ』「イビルアイ」など、あいうえお順になっている
そのままページを捲り進めると見たことある絵が出てきた
ツノの生えたうさぎ『一角ウサギ』と言う名前だそうだ
ーー 一角ウサギ
説明;集団で襲ってくる 。発達した後ろ足のおかげで凄まじい瞬発力を活かして突進攻撃をしてくる
弱点 : 突進してきた際、横に避ければ問題なく倒せる
脅威度 : 弱 初心者冒険者でも勝てる
「なるほど。あのウサギは初心者レベルが相手にするやつだったのか。あっそういえばゴーレムは?」
ゴーレムを調べてみたが、この前のゴーレムとは明らかに違う
「そういえば、あれは試練と書いてあったな…ダンジョンの試練集みたいなのないかな?」
それらしき場所を探してみたが見つからない
仕方ないと諦め部屋をでた
「結構収穫あったな…結構時間経ったな。今日は疲れたしご飯食べて寝よ」
部屋に戻り侍女に夕食を頼んだ
20分程すると料理を運んできてくれた
早々に食べ終えベットに入った
数秒もしないで意識は完全に無くなった
朝起きて魔王のもとへ向かう
「おーい魔王。勇者だけど入るぞ」
「どうした朝早くから」
「僕、決めたんだけど、旅に出るよ」
「そうか、気をつけてって、えぇぇぇ!?」
魔王は突然の宣言に戸惑いを隠せない
「まっまさか、人間の味方にもっ戻るのか!? 好みの女がいないからなのか!?」
「好みの女がいないのは否定しない。でも違う。僕は魔族の仲間だ」
魔王は少し安堵の表情を浮かべた。
「それでどういった理由で旅に出ると?」
「僕は召喚されてすぐに魔王討伐にでた。仲間達に促されるまま旅をしていた。なんの知識もこの世界の常識も知らないまま。だから本で知識を得た。でも自分の目で見て肌で感じた事とは得られる経験値が違う。だから世界を少し旅したいと思ったんだ」
「なるほど、そう言うことか。それならば止めはせぬ、行くが良い。宝物庫にあるアイテムは貸してやる。持っていけ」
「いいのか!?助かるよ…ありがとう」
「そういえば、人間界以外にも我が魔王軍に所属していない魔族がひっそり暮らす集落もまだ各地にある。できれば魔王城にきてくれと伝えてくれ」
「もちろんだとも!」
「あぁそれとこれを」
魔王はそういうと空間に手を入れて何かを取り出した
「これは『認識疎外の仮面』と言ってな、認識力を低下させるアイテムだ。お主は仮にも勇者だ。そのまま行けば騒ぎになるのは間違いない」
「そんな便利なものがあるのか。 ありがとう」
「仮面を外せば効果は切れる。くれぐれもバレるなよ」
「うん。あと何か魔王と連絡取ったりする方法ないかな?」
「あぁそれならこれを持っていくが良い【ヘルツクリスタル】というアイテムでな、対となるアイテム同士で通話ができる」
「何から何までありがとう。じゃあ行ってくる」
僕は本当の意味で冒険の始まりを迎えた
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