第15話 セックリンクス


「友達がね、セックリンクスをしたんだって、最高の体験だったって。ねえアナタ、セックリンクスってなあに?」


「何だよ、知りもしないで話しだけ合わせていたのか?」


「だって、何時も私を馬鹿にするんだもん。時代遅れだって。」


「そうか・・じゃあ、僕らもセックリンクスを体験しよう。その方が説明するより簡単だからな。」



妻は時代遅れだ。なにしろ、セックリンクスを知らないのだから。

私は妻を連れてセックリンクスサービスステーションに行った。 


このセンターには人間は居ない。全ての社員はアンドロイドだ。

オペレーターが私たちを案内する。


「それでは初めにボディを選んで下さい。人種や性別、年齢、後歴史上の人物からも選べます。」

僕らはモニターに映った画像の中から好みのボディを選ぶ。全て精巧に作られたアンドロイドだ。


「君は歴史上の人物からマリリン・モンローを選んでくれないか。私はブラッド・ピットを選ぶから、君の好みのだろう?」


「これって、私がブラッド・ピットに抱かれて、あなたがマリリン・モンローを抱くって事?」と妻が古臭い事を言う。


「違うって、僕たちはやらないんだ。アンドロイドとアンドロイドにやらせるんだよ。」


「それで? それを見るの?下らない。」


「いや違うって、僕たちはアンドロイドと意識をリンクさせるんだ。意識の中でブラッド・ピットとマリリン・モンローになって楽しむんだよ。」


「えっ!な、何??」

妻は頭が混乱して理解できないようだ。


「いいから、リンク室に行こう、。」

全く、話しの通じないだ。これでは友達に馬鹿にされるのは当たり前だ。


リンク室で横になると意識が落ちる。

私はブラッド・ピットになってマリリンを見ている。

マリリンがうっとりした目で私を見つめる・・

「マリリン・・僕が欲しいだろ・・」

「抱いて・・」

とマリリンが私に身をゆだねる・・




リンク室から出ると私は妻に聞いた。

「どうだった、マリリン。」

「凄かった・・本当にブラッド・ピットだった。」


「今度また来よう、今度は逆バージョンでね。」

「逆って?」

「君がブラッド・ピットにリンクして、僕がマリリンになるんだ。」

「えっ!??・・・・・ ワーオ!!」


通じたのかな?・・・





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