それからの2人…。

深夜12時半を回った頃だろうか?

小淵会長はご機嫌でタクシーで家路へと向かう。

鈴木が、小淵会長を、

見送ると…直ぐに自分もタクシー会社のサービスの一環の、運転代行サービスを依頼した。


車に揺られている間…

(一気に、色んな事柄が有りすぎたな…。さすがに疲れもピークだ…。明日さえ乗り切れば……)


運転手が、鈴木の過去に購入したマンションに、着くと…鈴木は、小川へ連絡を入れた。

珍しく小川は電話に出ない為に…

(どうかしたかな…?アイツを振り回した日になってしまった。いつか礼をしなくては……)

車を駐車場に入れて…

鈴木は階段をかけ上がった。部屋の鍵も…かけてある。

事件も無事に解決した。


鍵をガチャっと開けて…そっと入っていく…。

妙な静けさだな……? とリビングを抜けて…寝室へと、小川とラブを

探した。


小川は、ラブを看病してくれていたらしく……

部屋中シップの香りが立ち込めていた。小川は、ラブが危険な目に…


合わない様に、見張っている途中…寝入ってしまった様子だった。

ラブの方を見ると……


首には包帯、手首には…シップをしていた。


鈴木が、安堵の表情になり…小川に羽毛布団を、かけてやった。

(ありがとな……小川…)


2人の間にはベッドが、丸空き状態だったので…ラブの横に鈴木は、居たかったが…


あえて空きベッドへと、横になった。疲れきっていた鈴木は、いつしか……夢も見ずに深い深い眠りについたのだった。


次の日になると……鈴木の姿を確認して安心したラブが、


小川と鈴木の為に…

まだ痛みがあるであろう手首をかばいつつ、料理を作っていた。


ふわんっ、と良い香りが立ち込めて…

誰かが『よいしょっ!』

カチャカチャ。と食事を用意している音に…小川と鈴木は目が覚めた。


『あ。おはよ。』

『あぁ!昨日は悪かったな…助かったよ…。』


『何か…良い香りがすんな?ラブが?』

2人は、キッチンへと向かうと……


そこには…後ろ姿では、一体誰か分からない女性が料理を作っていた。


『?ラブか………?どちら様………?』

その声に気付いて振り向くと…… ラブが、

午前中…美容室へ行き、ベリーショートのアッシュカラーに…… 思い切り変えていた。


ラブが、恥ずかしげに、『切っちゃった。ふふ』

意外とモデルっぽく見える……と鈴木は、また

惚れ直した様子で…しばらくラブを見つめていた。


小川が、『ラブちゃんがメシ作ってくれたの?サンキュ!昨日からろくに食ってなくてさ~♪』


三人で食卓を囲んだのは、初めてだったが…昔からの知り合いだったかの様な時間が流れていた。


味噌汁をひとくち飲んだ小川と鈴木は、

『へ~…以外だなぁ!旨いわ!これ』


とラブを誉めたが……

『以外って!誉め言葉になってないじゃ~ん(苦笑)』

ラブも自分が作った

味噌汁をひとくち飲むと……


『ほんとに以外!いつもより美味しい!』

と楽しい食事会をしていたのだった。

ラブご自慢のポテトサラダも…

また美味しいと好評だった。最後のデザートは、


スイーツ店で見付けた、珈琲ゼリーだった。


『小川さんが、居てくれなかったら……わたし…生きてなかったかも?』


それに、鈴木社長を…選んで幸せよ…!と


ラブは、はにかみながら2人に笑顔を

向けたのだった……。

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