姉ちゃん…!

コーヒーも飲まずに、ラブにバラの花束だけを…

渡しに来た和希は、マンションから姿を消していた。


ラブは…『意外ね♪また求められると思ったわ。和かぁ。どうするんだろ?私……。』


ラブは出勤前のタクシーの中で…1人首をかしげていた。

『一応、和希と付き合ってる事に入るのかしら?分からないわねぇ?かといって確かめる程……でもなぁ~。はぁ~。』


ラブはいつの間にか…1人でぶつぶつと独り言をいっていた。

その内容を聞いていた、いつものタクシードライバーは、

『お…!姉ちゃん!彼氏でも出来たか?良かったねぇ!若いって~やつは良いね♪』

ラブは…ハッとして少しだけ顔を伏せた。


『どうしよう?おじさん。嫌いな相手じゃないのよねぇ?でも……分からないけど、何かモヤッとするのよ。自分で自分が、分からないの…フフっ。』

ラブは外の見慣れた景色に目をやりながら……ドライバーにぼんやりしながら独り言の様に、語っていた。


『おじさんは、姉ちゃんの事は余り分からないけどさ、やっぱり…女って~のは…愛するより、愛された方が幸せって、ハハッ(笑)よく言うじゃない?気持ちが通じ合うならさ、飛び込んじゃえば?いつまでも……今の仕事、出来ないでしょ?歳を取って……独り身じゃ寂しいよ~~?』


ドライバーの言葉は妙に説得力があった。

ラブは…『それもそうなんだけど……今更、家庭に入るのかしら?とか、余計な事を考えちゃうわ。』ドライバーは途端に大きな笑い声を出した。


『あ~姉ちゃん。私が言ったのは…結婚とかの意味じゃなかったんだけどね?(笑)なかなか、うん。姉ちゃんの好きなヤツならさ、飛び込んじゃいなよ!ワハハ(笑)』


んもぅ。とラブは…ドライバーのおじさんと

仲良さげに話をし出した。色々とドライバーのおじさんは、辛い思いや経験を重ねて来たらしく……ラブの悩みは可愛らしいもんだ!と反対に元気をもらった。


ラブは…お金を出したが余計にチップを払った。


ドライバーのおじさんは『お?チップか!ありがとう姉ちゃん!じゃまた、』 と言い残しタクシーは、走り去ってしまった。


ラブは…

(どんな顔をしようかしら?いつもの調子で……。)


店のドアを開けると……

和希といきなり目が合い…ラブは挨拶をした。


『和希………おはよ。』

『ラブさん!おはよ。今日もキレイだね。』

和希は、何気なくラブを誉めたのだが……


ラブとしては……


少しだけホッとしていた。それから考えを巡らせて…


『ホストクラブ♣️……たまには覗きにいこうかしら?クスクスっ✨遊び納めになるのかしら?……』


ラブは…珍しく、恋愛を楽しもうか?……


和希なら、信じてみようかしら?と真剣に考えていた。


ラブがぼんやりとして……タバコを指先でもてあそんでいると……


和希は、ラブのそんな態度を見ながら……


仕事にがぜん…やる気を出していたのだ。


ラブには話さなかったのだが…… 和希は将来、昼の仕事でも着こうか?


とグラスを磨きながら、思案していた。もちろんラブには内緒で………。

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