美しい文章によって紡がれる二人の女性と、彼女たちの関係性に息を呑み、一枚の絵画を鑑賞するような心地で読ませていただきました。
とても素敵でした。
実は、ある期待を抱きながら読ませていただいたのですが、はたしてその答えを見つけることが出来たように思います。
夢見里 龍さまのファンの末席に加えていただければ幸いです。
作者からの返信
塵 薫さん
見つけていただき、ありがとうございます(*^^*)
重ねて御優しい御言葉を賜りまして、感謝の言葉もございません。絵画を描きあげるように文章を紡ぐというのが私の信条のようなものです。なので、そのように仰っていただけてとても嬉しいです。
嬉しいご縁を賜りました。
これからなにとぞ宜しくお願い致します。
美しかったです。
多分叶わぬとわかっている。けれどなおざりにできない気持ち。はつ恋。
ただ過ぎ去って行ってしまうのではなくて、油絵が残っていたことで、彼女のはつ恋は多分ずっと形を変えず残り続けるでしょう。多分それがせんせいの答え。
雪ではないよ。雪ならば溶けてしまうからね。
そのように言われた気がしました。
そしてその気持ちを大切にしなさいとも。
叶う叶わないではない。得る得られないではない。
感じたことを感じるままに思い、保存し、人生に役立てること。
おそらくは、そのようなことをしてきたから、せんせいは美しかったのだと思います。
そういえば。視覚のお話。まさにその通りですね。
ご存じかと思いますが、元々人間は鏡を見るときにやや良く見えるように脳が勝手に補正をするらしいですね。多分自分を嫌いにならないためでしょう。で、写真を見て写真写り悪いなと思う人は、その補正がめちゃくちゃ強い人ってことなんですね。
つまり、視覚は脳によっていくらでも作り替えることができる、まさにせんせいが仰っていることは励ますためでもなんでもなく、事実なんですよね。
雪緒さんはそのバイアスが逆に働いていた。それを正常な状態に戻してあげた。多分心理療法でも難しいことを、彼女は絵でもってやってのけたんですね。
偉業です。人一人の人生を救った。
人に寄り添い、人に誠実であったからできた業。
自分もこのような人に慣れたらなあと、せんせいに憧れを持ちました。
この度は、このように素晴らしい作品を紡いでいただき、ありがとうございました。
作者からの返信
詩一さま
嬉しい御言葉をお寄せいただきまして、ありがとうございます。
雪の降りつむ山里を舞台にした「はつ恋」の物語を書きたいとずっと考えておりましたもので……時間は掛かりましたが、かたちにすることができて、なんだかわたしも充ちたりた想いでおります。いつか年老いた「わたし」が最後までこの絵をたいせつにしていて、孫に「この絵はだあれ、きれいなひとだね」と訊ねられる……という話を書き加えようかとおもったのですが……なやんで、なんとなくやめました(*^^*)
この後の話は読者の想像に委ねたかったからです。彼女が新たな恋をするのか、また何処かでせんせいに巡りあっておなじひとに二度目の恋をするのか……読んでくださった御方に託したいとおもいます。
視覚の話も詳しく教えていただき、ありがとうございます。わたしは、実をいうと、その逆の説を聞き及んでいました。人間は自身にしかわからないような細かいコンプレックスをそれぞれ抱えていますが、その嫌悪意識が視覚に働きかけて、鏡や写真などでみたときにもコンプレックスばかりが強調されて視えるのだとか。だから自身で想っているよりも、ひとは不細工でもないし、極端に変なところもない……という御話でした。
いずれにしても……ほんとうの自分の顔というのは誰にも見えないのかもしれませんね。(鏡は反転していますし、写真はレンズのゆがみがある)だからこそ正しく映してくれる誰かが必要なのかもしれません(*^^*)
素敵なご感想、ありがとうございました。お星さまにも言葉を乗せていただき、感激です(n*´ω`*n)
冒頭から雪に閉ざされた山村の情景が目に浮かぶようです。夢見里さんのお郷もこんなふうに雪が積もるのでしょうか……そうであれば風景をありありと写実する筆致に、そうでなければ壮大にして精緻な想像力に、ただただ感服するばかりですが……。
身内から聞かされ続けてきたことが呪いのように自己評価を縛ってしまうというのは、思春期はおろか、大人になっても往々にしてあることですね。私自身も、中学生くらいの頃に初めて母親の口から、自分の外見の劣っている点を(恐らく悪気はなく)指摘されて、その時を境に世界の見え方が変わってしまったという経験があります……。そうした傷はなかなか癒えないものですね。
しかし、雪緒さんは、せんせいと出会って救いを得られた。冬来たりなば春遠からじと言うように、はつ恋は思い出に終わっても、より自分に自信を持てるようになって、「いつか誰かと恋をする」日はきっと遠くないのだと思います。
ところで、純文学とエンタメの区分という百年来の話題について、先日、「読者によって様々な解釈や感懐を抱かせるのが純文学。読者に一律の理解、感動、面白さを提供するのがエンタメ文芸」というツイート(https://twitter.com/jun_ito_info/status/1473620403407159297)を見かけました。それに照らせば、本作は紛う方なき純文学でした。
作者からの返信
板野さん、お読みいただきまして、ありがとうございます。
わたしの故郷はここまで雪に閉ざされることはめったにないのですが、昔一度だけ、いっきに140cmほど降ったことがありまして。見渡すかぎり、白の世界になりました。そのときのことを思いだしながら、綴りました。
悪意のない言葉ほど、刺さることはありますね。わたしも経験があります。誰もにあるのかもしれません。そうした呪縛を氷解するような物語を書きたいなとおもいました。実をいうとこの物語はかなりの難産でしたが、こうして皆様にお読みいただけるかたちにできてよかったです。
参照してくださったツイート、拝読させていただきました。なるほど、言い得て妙ですね。そのとおりだとおもいます。勉強になりました。やはりわたしは読者様それぞれに感じ方の違うような小説を書き続けていきたいです(*^^*)
重ね重ねになりましたが、素敵なご感想を賜り、御礼申しあげます。
編集済
夢見里 龍さま
拝読させていただいている中、気になった点がありまして、
自分のご報告が間違っていましたら申し訳ありません。
「だって、ほら、わたし、可愛くないです」から三段落目のところで、
「彼女の白銀がかったにわたしが映っている」となっていまして、
恐れながら、
「彼女の白銀がかった眼睛にわたしが映っている」
または、
「彼女の白銀がかった瞳にわたしが映っている」
ではないかと思いまして、誠に恐れながらご報告だけさせていただきました。
作者からの返信
ご報告賜りまして、ありがとうございます。
わわわ……申し訳ございません。かんぜんなる脱字です。
早急に修正させていただきました!
玲弦 志鴉さま、いつもお読みいただき、御礼申し上げます。これからも頑張ります。
とても美しい文章で、うっとりとしました。
自分に自信がない少女と、不思議な魅力に満ちたせんせいのやりとり。はつ雪とはつ恋。溶けてしまい長く残らない雪と、今際の際まで残るであろう恋の思い出の組み合わせが、とても綺麗だと感じました。
世界観に入り込み、今が冬であると錯覚し、夏の暑さが消え去る貴重な読書体験をありがとうございます。
作者からの返信
秋雨千尋さま
お読みいただき、ありがとうございます。
とても嬉しい御言葉……感激いたしております。はつ雪とはつ恋は似ているなあとおもい、筆を執りました。ほんのわずかですが、私自身の経験もちょっとばかり織りまぜた短編だったので、素敵な読書体験になったと仰っていただけて喜びもひとしおです。
素敵なレビューまで頂戴し、なんと御礼申しあげてよいのやら。
またご縁を賜れれば幸いです。