第4話 痩せて美少女たちが話しかけきた

 夏休み終了前の最後の美少女ダンジョン。


 ミッションを終え、休憩していると、オーク呼ばわりした金髪美少女さんが近づいてきた。


「あ、ストーカさんだ」


「ススストーカ!? 私は伯爵家のリローゼよ!」


 初めて名前聞いた。

 ここでミッションしている間、ずっと物陰から見ていたからストーカだと思うわ。


「なんでずっと見てたのに話しかけなかったの?」


「そりゃ、貴方の邪魔をしてはいけないでしょ。あとその……日に日に凄くカッコよくなっていってたから」


「……」


「……な、何よ。そんなポカンとして。べ、別に顔だけじゃないからっ。貴方のひたむきに頑張る姿に惚れ……っ! 何でもないわ! 別にそんなチョロいんじゃないんだから!」


 自分から暴露したぞ、この美少女さん。


 俺に惚れた……つまり好きになったとか? いやいや、まだそう確信するのは早いよな、うん。


「リローゼさんにそう言われて嬉しいよ。じゃあ俺、明日早いから!」


「あ……うん。ああ、明日もここにきなさいよね!  私も一緒に特訓するんだからっ」


「了解」


 美少女ダンジョンでやっと美少女と関わりを持つことができた。



◇◆

 

 翌日。

 ホームルームギリギリに登校して、自分の席に腰を下ろした俺は、教室中の視線が自分に集まっているのを感じる。


「ちょっと誰あれ……」

「あの席ってデブスだけど……まさかねぇ?」


 俺だと気づいてない生徒がほとんどらしい。


 そんな中、比奈さんがいつもように挨拶しにきた。


「おはよう! 出水くんだよね。凄く痩せたね!」


 え、分かるんだ。


「ありがとう比奈さん」


「「「はぁ!? デブス!」」」


 クラスから驚きの声。

 男子は絶句し、女子は……何故か俺の机の周りに集まってきた。


「えー、デブ……じゃなかった。出水くんカッコいい」

「凄く痩せたね!」

「ねぇ、放課後遊び行かない!」


 この手のひら返し……今まで陰口言っていた癖にと思うが、それよりも清々しさが勝つ。


「もうみんな! 出水くんがかっこよくなったからって手のひら返しすぎ!」


 比奈さんが集まった女子たちを追いかえしてくれる。


 まぁ比奈さんのあの天然発言も中々響いたが、天然だから仕方ない。


「ねぇ、出水くん。放課後遊びにいかない?」

 

 比奈さんが俺だけに聞こえるように言ってくる。


「え、ああいいよ……」


「ありがとう♪」


 まぁ、ちょっとくらい遅れても……いいよな。


 昼間は学校で美少女と、放課後はダンジョンで美少女と。


 どうやら美少女ダンジョンの効果はここかららしい。



              —完—




〈あとがき〉


 読んでくださり、ありがとうございましたm(__)m


 こちらカクヨムコン短編に出しているので、面白かったら星や評価、ハート、コメントを頂けると嬉しいです!

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【完結】必勝!美少女ダンジョン〜俺だけ入れるダンジョンで陰キャデブから大逆転……したいっ! 悠/陽波ゆうい @yuberu123

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