7話 まさかの朝

「起きてください竜人君、朝ですよ〜、起きてください!もう、起きないとイタズラしちゃうますよ?」




「んん…」


「あ、起きましたね」


「おはよう優奈」


「おはようございます竜人君」



 目を開くとそこには顔が異様に近い優奈がいた。



「うぁ!て、なんでそんなに顔を近ずけているんだ?」


「何となく近ずけてみただけです!、でもやっぱり寝起きの竜人君は面白いですね」



 顔の距離を離し、そんな事を言い優奈は微笑む。



「面白いとはなんだ、面白いとは」



「面白いはおもしろいです!」




 優奈はふん!と言わんばかりの顔でそんなことを言っている。

 僕の寝起きはそんなに面白いのだろうか?、僕はそう考える。




「竜人君昨日の夜からずっとここで寝てましたよ?」



 何となく思い出してきた。

 そうだ、僕は昨日の夜ここで横になってそのまま寝てしまったのだ。



「そうか、ごめんなこんな所で寝ちゃって」



「全然大丈夫です!それより風邪とかひいてませんよね?」




「それはこの毛布のおかげで大丈夫だよ、これ掛けてくれたの優奈だろ?ありがとう」



「えへへ♪どういたしまして」


 優奈が毛布を掛けてくれてたおかげで風邪をひくこともなかった、本当に優奈には感謝しかない。


「ちょっとシャワー浴びてくる」


 僕はソファから起き上がり脱衣所に向かう。

 まだ少し眠気が残っているのか少しフラフラしてる気がする。




「竜人君、もう6時過ぎてるので少し早めに出てきてくださいね!」



 そんな声に僕は「りょーかい」と返し、リビングのドアを開け脱衣所に向かう。

 脱衣所に入り服を脱ぐと僕は浴室に入る。

 シャワーから少し水を出し、丁度いい温度まで水を出す。

 少し待つと水が温かくなってきたのでシャワーを全身に巡らせる。



 シャワーを一通り浴び、シャンプーを出し、頭を洗い始める。

 シャワーを浴びてる間は色々なことを考えてしまう、今日は学校の事だ。


 今日は何をするのか、訓練はどのようなことをするのか、お弁当はなんだとか。

 でも1番気になるのは訓練についてだ、僕はブレイダーを選ぶつもりなので恐らく、剣の扱い方だとか、基礎体力作りなどだろう。



 僕はそんなことを考え、楽しみな反面少し不安を抱く、これでとんでもなくキツいトレーニングだったら嫌だな。


 考えてるうちに全身洗い終えたので浴室を出てタオルで体を拭く。


 昨日優奈が出たらすぐに風呂に入ろうと思っていたので、服は持ったまま寝ていた。


 着替え終わり、自室に帰って制服に着替える。


 一通りの身支度を終えたあと、僕は織音を起こしに織音の部屋に行く。


 数回ノックをした後、声をかける。



「織音〜!朝だぞ〜」



「ん、分かった」


 声が聞こえてきたのを確認しリビングに向かう。



 リビングの扉を開けるとそこには、朝食を机に運んでる優奈がいた。

 制服の上にエプロンを着てる優奈に声をかける。

「お、今日も美味しそうだな」


「そう言って貰えると嬉しいです!」

 嬉しそうな優奈を横目に僕は席に着く。




「それじゃ、いただきます」



「召し上がれ」

 満面の笑みでそう言われたので僕はパンにかじりつく。

 ちなみに僕は朝はパン派だ。



「竜人君なにか飲みますか?」


「じゃあ牛乳をお願いしていいかな?」



「分かりました〜」



 僕は牛乳をお願いし、ご飯を黙々と食べ進める。

 少しすると僕の前に牛乳が出てくる。


「はい、どうぞ?」


「お、ありがとう」



 お礼をいい、牛乳を1口飲む。

 やっぱりパンと牛乳のコンビは最高だ。

 パンを食べそれを牛乳で流し込む、これが最高なのだ。



「優奈も見てないで一緒に食べよう」



「じゃあ私もいただきますね」



 僕達は黙々と朝食を食べ続ける。




「全然織音ちゃん起きて来ませんね」



 優奈は急にそんなことを言い、少し困った顔をする。



「でもさっきから物音はしてるから、起きてはいるんじゃないか?」




「身支度でもしてるんですかね?」


「多分ね」



 そう、きっと身支度をしているはずだ。

 そう思いたいが織音は朝に弱いので、してないんじゃないかという思いも湧いてくる。


「ちょっと心配だから僕、起こしてくるよ」



 時間もあまり無いのでご飯を少し急いで平らげ、織音を起こしに行く。



「おーい、開けるぞ」



 数回ノックし扉を開ける。

 扉を開けた先にいたのは、制服のリボンを着けている最中の織音だった。


「ちゃんと起きてるな」



「そりゃ起きてますよ、もう朝なんだから」


「それをお前が言うのか……」

 小さく僕はそう呟くと織音は少しムスッとした顔をする。



「朝が弱い私だって流石にこんな時間には起きますよ」

 ちなみに今は7時くらいだ。



 はいはいと簡単に返事をする。


「身支度終わったら降りてこいよ」



「はーい」


 織音を起こしたあと僕はリビングに戻る。



「織音起きてたよ、多分そのうち降りてくる」

 僕がそう説明すると優奈は少し安心したのか、少し安堵した表情を見せる。




「といっても、まだ登校するには早いよなぁ」

 時計を確認し登校には早いと思った僕はそう言う。

 時刻は7時ちょっと過ぎ登校するにはまだ早い。




 ガシャ、と扉が開く音がする。

「おはよう〜」

 扉を開けたのは織音だった。

「織音ちゃんおはようございます、ご飯できてますよ」




 優奈は挨拶を織音に返しご飯ができていることを教える。

 そうすると織音は目を輝かせながら席に着く。



 美味しそうに朝食を食べている織音の横を通り抜け、優奈のところに向かう。

「手伝うよ」


 僕は優奈の皿洗いを手伝い始める

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