ヒナっちと知り合い?
二年生になったカケル君は登校班の出発時間に遅れることもしばしば。
一年生が来てなければギリギリまで待ちますが、二年生以上は遅れると置いていくのがこの班のルール。学区域の中で最も小学校から遠いので、遅刻しないように早めに行くからです。
あとから走って追いかけてくることが増えたカケル君ですが、この日は久しぶりに時間通りにやってきました。
一方、今は別の登校班になってしまった(児童数が増えたので分裂したため)五年生のヒナは、自分の班が先に出発してしまったのでこちらの班と一緒に学校へ向かいました。
久しぶりにヒナと話をしていると、カケル君が割り込んできます。
「おじさん(実際には××さん、と彼だけは私のことを名前で呼びます)、ヒナっちと知り合い?」
三学年も違うのにどこかで接点があったのか、年上好きなのか(笑)、最近になってカケル君はヒナのことが気になるようで、たまに集合場所で待っているときにも道路越しに「ヒナっちぃ~」と声をかけて手を振ったりしています。
なので親しげに話す私たちを見て危機感を覚えたのかもしれません。
「ヒナとは前から仲良しだし」
「前はおじさんと一緒の班だったからね」
「一年生の時だけだっけ?」
「二年生まで一緒」と二人で話していると「ふーん、そうなんだぁ」と納得した様子。
「ヒナっちは名前、なんていうの?」
「え? ヒナに決まってるじゃない」
「違うよ、そうじゃなくて――」
「あぁ、苗字ね。○○だよ」
ヒナから苗字を聞いて満足げなカケル君。今度はヒナのことも「○○さーん!」って呼ぶのかな。
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