おじさんはいつまで一緒に来てくれるの?

 次はカンナ。彼女はリンちゃんと同学年で、やはりずっと仲良くしてくれた一人。一年生の頃から懐いてくれていました。

一年生の保護者参観の翌日に「どうしておじさんは来なかったの? 来ればよかったのに」とか、三年生のときには「妹ができたみたいなの。ママにはまだ内緒って言われたから、秘密ね」「妹の名前、一緒に考えて」などなど、ちょっとこちらがドキリとするようなことを真顔で言ってくるんです。

 うれしい一方で、あざとさが透けて見える気も無きにしもあらず。本人は意識してないようですが。



 彼女が四年生のある日、唐突に「おじさんはいつまで一緒に来てくれるの?」と聞いてきました。

「カンナちゃんが卒業するまでは、一緒に行くよ」

 すると「私が五十歳になったら?」

「えーっ、その頃はカンナちゃんだってここにいないでしょ」

「そっか」

「それに、もうおじさん死んじゃってるよ」

「でも、まだ百歳になってないでしょ?」

「そうだけど……」

「私のひいおばあちゃんは九十八歳だよ」

「そうなんだぁ。長生き家系なんだね」

「おじさんも大丈夫じゃない?」

「うーん、どうかなぁ……」


 彼女は特に何か考えがあるわけではなく口にしたのでしょうが、気の利いた返しが出来ませんでした。反省。

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