第13話 我が人生、我が運命、我が宿命

今時男の娘なんてのも、少しズレてる。一時期男の娘が流行った時もあったが、今はそうじゃない。


なにせ、今はメイク次第でどうとでもなる時代。男だってメイクすればきっと可愛くなる。


だから俺はこの動画を開くまで、あんまり期待していなかった。


どうせ、化粧しまくった男だろ?努力は認めるが、なんだか冷めるんだよな。それは男の娘ではなくて、ただの女装だろ?


そう思って、軽く批判のリプでも飛ばそうかと思って、その動画を開いた。


「……まじか」


目の前に現れたのは、本物の美少女。一見すれば、可愛い女子が派手な服を着ているようにしか見えない。だがしかし、骨格やしぐさに若干ながらも男のソレがある。


間違いない、これは男の娘だ。

しかも、なんだ?このしっかりと型にハマるような、妙な心地よさは……。


今までの女装動画とは違う、違和感が無い。女装をしている方を批判するわけでは無いが、アレは恥じらいというか、可愛くなるのが楽しくてやっている感じ。


しかし、この子は違う。

可愛くなろうとしている訳では無く、可愛くなってしまった。


そう、可愛くなってしまったのだ。


俺はこの配信者を探す事にした。そして、我が事務所に迎える。そう決めた。


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