第9話 同じ穴のムジナでしょ?

 ギャルに文句を言われないためにどうすれば良いのか考えた結果、私はギャルも共犯にして仕舞えば良いと考えた。


 つまり、ギャルと私の2人で、天城くんのあられも無いスケスケボディをデッサンするというわけだ。


 これを思いついた私は天を仰いだ。

 私はおそらく天才なのだろう、こんな素晴らしい考えを思いつくなんて……。


 そうと分かれば即行動。


「ちょっときて」

「え?なんすか…とと」


 私はギャルの手を掴み、準備室に連れ込んだ。


「あ、あの…なんですか?」


 ギャルは戸惑っている。

 いや、ギャルではない。そんな不遜な呼び方ではいけないだろう。


「金山さん、お願いがあるの」


 私は金山さんの肩を掴み、そう言った。


 金山さんは緊張の面持ちで、

「な、なんですか…?」


「私と一緒に天城くんをスケッチしてみない?」


 私は努めて笑顔でそう言った。

 私の笑顔はかつて、天使の微笑みと言われたことがある(祖父母から)。

 そんな私の笑顔だ、きっと通るはず。何故か天城くんには怖がられたけど。


「ひっ、スケッチですか?」


 なんか引かれた。

 いや、そんな事はどうでもいい。


「そう、スケッチ。今から天城くんにとある衣装を着てもらって、それをスケッチするの」


「とある衣装…?」


 私は準備室に隠してある、天城くん変身セットの中から、スケスケ白衣を取り出した。


「こ、これは!?」


 金山さんが思いっきり食いつく。


「なんですかこのスケスケ!?」


 スケスケを手に取り、スケスケを広げら金山さん。ひっくり返したり、下から覗いたり、あらゆる角度からスケスケを観察している。


「ふふふ、これが天城くん変身セットその①スケスケデッサン衣装だよ!これを天城くんに着てもらってデッサンをするの!凄く良いでしょ!?」


 バァーン、という効果音を脳内再生した。

 意気揚々と自慢げに金山さんへスケスケを見せつける。


 しかし、金山さんはそこまで乗り気ではなかった。むしろ若干引いているような、そんな雰囲気であった。


 しかし、私は見抜いている。金山さんが私と同類だということを。


 金山さんの方はスーッと移動し、耳元で呟く。


「金山さんも、天城くんのスケスケ、見たいよね?」


「そ、そんな事…!ないっ…はずっ…」


 この反応、やはりそうだった。

 前に天城くんを尾行した時に、天城くんの顔を近づけられて頬を染めていたのを私は見た。


 まあ、天城くんの可愛い顔を近づけられたら誰でも赤くなっちゃうけど。多分私が男でも。


「金山さん、素直になっちゃいなよ?天城くんって凄く可愛いよね。男の子なんだけど、女の子みたいな顔で身体も小さいし、声も高い。けど女の子じゃないんだよね、そこが良いんだよね」


 金山さんはもう落ちそうだ、あと一言。


「天城くんの乳首、ピンク色なんだよ」


「私もデッサンします」


 変態だ!


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