第235話 ついに名門神族の茶会に誘われた

「そういえば、君もそろそろお茶会に顔を出してみない?」

「――え。お茶会って女性が参加するものじゃないのか?」

「? 男性もいるわよ」


 なん……だと……。

 あれって貴族版の女子会みたいなもんじゃないのか?

 そんな中に混ざれる強者男子っていったいどんなヤツなんだ。

 元が一般庶民すぎてイメージが……。


「そ、そうだな……じゃあ参加してみようかな」

「みんな君のことすごく気になってるみたいだから、行けば注目の的でしょうね」

「いやいや勘弁してくれ。オレのことは空気だと思ってくれていいから」

「無理よ。君、すでに何かと目立ちすぎだし」


 くっ――人だった頃は完全なモブキャラだったのに!

 オレはいつからそんな目立つタイプになったんだ!!!


「というか、あんな街中で私に告白しておいて何言ってるのよ。それだけですでに噂されるには十分よ」

「……まじか。行く前から帰りたいんだが」

「ダメよ。お茶会への参加は、ある意味義務のようなものだから。うちに入ったからには、遅かれ早かれデビューしてもらうわよ」


 あああああああああああああああああああああ。

 嫌だあああああああああああああああ!!!


「大丈夫。今回連れていく予定の会は、私の親しい友人が主催してるものだから。前から連れてきてって言われてはいたのよね。でも母様から許しが出なくて……。でもついにそろそろって言ってくれたわ」

「リエンカ家に泥を塗ったらごめん」

「ああ、そんなこと。君が転生者なことはみんな知ってるし、変なこと言っても君が笑われるだけだから平気よ☆」


 くっそ殴りたい!!!


「ちなみに何人くらい来るんだ?」

「そうね……今のところ、私と君を含めて5人かしらね」

「けっこう少人数なんだな」

「そんなもんよ。何か特別な会じゃない限り、多くても7~8人よ。少ないときは普通に2人のこともあるわよ」


 なるほど。

 それくらいならまあ、どうにか切り抜けられるかもしれない。


「まあ最初だし、君は私についてくるだけでいいわ。何か言われてもこっちで適当に返すから、無理はしないで」

「お、おう……」


 どうしよう不安しかない!!!


 い、いやでもまあ、フィーネだって生まれながらの名門神族なわけだし。

 そもそもこいつにとっては友達のお茶会に誘われてる程度のことなんだろうし。

 少なくともオレよりは場の空気も分かってるはずだ。

 ここは任せた方が賢明だろう。


「それじゃあ、開催は今週の土曜日だから。お昼ごろに出かけるから忘れないでね。服は君の普段着じゃさすがに困るから、こっちで用意するわ」

「分かった。ありがとな」


 一応、明日ルアン先生やフォルテさんにも話をしておこう。

 やっぱりできればフィーネに恥をかかせたくはないしな。

 告白したこともバレてるし!!!


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