第201話 一体化はチート能力らしい?
「というか、そもそもなぜそんなことになったんでしょうか……」
「恐らく、あなたを救済召喚した際にフィーネが使った、神術と神様アイテムの組み合わせに問題があったのでしょうね……。以前フィーネに何をしたのか問い詰めたのだけれど、本人も必死だったみたいで覚えてないらしいのよ」
フィーネまたおまえかあああああああああああああ!!!
「ただ、元の世界にあった肉体から引き剥がしてしまったあなたの魂を、こちらに――要するに今のラテスに定着させるために、とにかくあらゆる手を尽くしたと言っていたわね」
「あらゆる手……」
あの穏やかさを装った登場の背景にそんなドタバタが潜んでいたとは……。
というか、あの「ちょっとした手違いで未開拓な惑星に魂を飛ばしちゃったってことかなっ☆」という雑な説明で、そんな深刻な状況だったなんて誰が思うだろうか。
もしそこで取返しのつかない事態になっていたら、オレはどうなってたんだろう?
そうと思うと、今さらながら恐怖が押し寄せてくる。
「一歩間違えば、あなたは実体を保てない不確定なエラーのような状態で、世界の狭間に置き去りにされていたでしょうね……」
そんなゾッとする情報は伏せておいてほしかった!!!
「……そうなったらフィーネは良くて数百年の幽閉、悪くて死刑だったでしょうし、クリエも救済カタログを放置していた罪に問われたでしょうね。リエンカ家として、そして親として、あなたが今ここにいてくれることに心から感謝するわ」
――し、死刑。まじか。
いやでもまあ、そりゃそうだよな……。
「……救済カタログで、こうした事件は時々起こるものなんですか?」
「いいえ。そもそも、作りかけの救済カタログが一般に出回ることはまずないもの。私の知る範囲では聞いたことがないわね。作りかけの神様アイテムは、本来大神殿から持ち出してはいけないものなの。だから実際、クリエにも責任はあるのよ」
姉妹揃ってトラブルメーカーがすぎる!
まあでも、生まれたときからこんなすごい家にいれば麻痺もしそうだよな……。
前例もないっぽいし、それぞれそんな大事になるとは思わなかったのだろう。
「それで、あなたの力だけれど。経緯はとても褒められたものではないけれど、でも星と一体化できる力なんて聞いたことがないし、神族としてそんな有利な力はないわ。だって星が持つエネルギーそのものを強化できるということだもの」
フォルテさんいわく、どうやらオレの星と一体化する力は、訓練次第でほかの星にも応用できるかもしれないという。
「……でも、力が勝手に消費されるって危険すぎませんか?」
「それは力のコントロール力を強化することでどうにでもなるわ。それを踏まえて、今後あなたが名門神族になれたとして、そこから目指すべき道は大きく分けて2つよ」
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