第200話 調査結果:オレと星が一体化してる

「……まったく何だったのかしら。変な子ね。それより神乃悠斗、母様がこの間のラテス調査のことで話があるって」

「え? あ、ああ、分かった」


 走り去ったガーネットの件が気にはなるが。

 勘違いが気まずかったのだとしたら、追いかけるのも可哀想な気がする。


 ――まあ、いいか。


 オレはそのまま受け取った書類を片付け、リエンカ家に向かうことにした。


 ◇ ◇ ◇


「フォルテさん、調査の件で話があるとフィーネから」

「座って。早かったわね。調査後の研究の結果、新たに分かったことがあってね。それを説明しようと思って」


 フォルテはそう言って、数枚の資料をテーブルに出す。


「研究の結果、ラテスの鉱石力と悠斗くんの神力が融合していることが分かったわ。この間あなたが倒れたのは、この影響もあったのでしょうね」

「……ええと、つまり?」

「普通は、神族が星の管理者になることで、星の力に管理者の力が働いて星が動き始めるの。つまり、管理者が星の力に干渉することはあっても、その逆はないわ。でもあなたの力と鉱石力が融合したことで、その干渉が双方に起こってしまう」


 なるほど?

 状況は分かったけど、でもだから何なのかがさっぱり分からない。


「だから悠斗くんが強くなればなるほどラテスの鉱石力も強大になっていった、ということになるわ。まあ、ほかの要因もいくつかあるけれど。そんな中で、疲れている中で精霊祭が行われて、立て続けに救済召喚までしてしまった。しかも神力は常に全力使用。いくらあなたでも、これじゃ倒れても無理ないわ」

「精霊祭は何か関係……」


 精霊祭は、オレは呼ばれて客として参加しただけだ。

 特に力を消耗するようなことは何もしてな――――あ。


 そういえば、授業で「精霊は星の力を吸い上げて集め、それを力にしている」と習った記憶がある。

 こうして使った力は時間をかけてまた星に還るし、精霊が使用することで力が浄化および強化され、結果的には少しずつ強くなっていくのだが。

 しかし、そこにはタイムラグが発生する。


 精霊たちは精霊祭に向けて全力で準備を行ない、そして会場となったラテスの森を美しく飾っていた。

 つまり、精霊祭を開催するにあたって膨大な鉱石力を消費していたと思われる。

 そして以下略。


 さらに、星には自動修復機能があるらしく。

 常時失った力を取り戻そうとする力が働いているらしい。

 本来ならば、その力のおかげで力の還元が起こるのだが。

 ここでもオレの力が使われた――ということなのかもしれない。


 そういうことだったのかあああああああああああ!!!

 まあ精霊たちも、まさか鉱石力とオレの力が一体化してるなんて思ってもないだろうしな!!!


 ――いやでも、それってけっこうまずくないか?

 オレの意思や行動とは関係なく、オレの神力がどんどん消費されていくってことだよな?

 しかも今や、精霊たちは全員が上位精霊、人族だって力を使う。

 削られる力の量も桁違いになっていくだろう。


「え、ええと……これ、大丈夫なんでしょうか」

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