第176話 仕事復帰と久々の授業
約2日間の休息を経て。
十分に体力、もとい神力を回復させたオレは、無事仕事復帰を果たした。
「ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした」
「顔を上げてちょうだい。こちらももっと様子を見ながら進めるべきだったわ。無理させてごめんなさい。悠斗くんは、神様活動も初心者だものね。もう平気?」
「ええ。おかげさまでもうすっかり」
フォルテはオレに向けて手をかざし、例の聞き取れない言語を唱える。
体に何か温かいものが巡る感覚があった。
「ちゃんと回復したみたいね。念のため、今日は結界への神力奉仕はやめておきましょう。午前中は授業に充ててちょうだい。ルアン、お願いね」
「かしこまりました。今日はあまり体力を使わない座学のみにしましょう」
「な、なんかすみません……」
今日は「神力」について。
神力がどういうものなのか、1から教えてもらうことになった。
「……本来はフィーネ様から説明があるべきことなんですが、まあきっとほとんど聞かされていないと思いますので私から説明します」
「お願いします」
「神族の力は、レベル、神力、神様能力、信仰の4つで決まります。これは以前大神殿での測定を行なったので知っていますね」
「はい」
「レベルというのは、総合力を表す数値です。最大値が99999でそれ以上の計測はできないので、それ以上になることはシステム上ありません」
この間クリエが言ってたな。
そしてほかの数値は、99999を超えると測定不可になる。
「神様能力は、名前どおり神様活動の成果から導き出される数値です。ハルト様の数値の高さは、恐らく独自性の高い構築手法、オリジナルの作物の創出、【完全未開拓惑星】という不利な星の繁栄および星力の増大などからきているものと思われます」
「なるほど。手探りでやってたのが功を奏したってことですね」
そう考えれば、フィーネ様様だな!!!
「それから信仰。これはそのまま、ハルト様を信仰している民や神族の数や信仰心の強さが数値化されたものです。あと重要なのが神力ですが――これは一応数値として算出されますが、実際はとても複雑なものなんです」
「高さのほかに密度も関係してくる、というのは聞きました」
オレはルアン先生に、昨日フィーネから聞いた内容を伝える。
「そうです。この算出される数値は、現時点で対象が保有できる神力の最大値、ということです。器のサイズ、といえば分かりやすいでしょうか。もちろん、神族は自ら神力を生み出しますので、使わなければその最大値まで溜まっていきます」
なるほど。
要は、RPGでよく見るステータス「MP」や「HP」のような仕組みなのだろう。
「そしてこの数値とは別に、密度も大きく関係してきます。同じ神力10でも、密度の高さで出力は大きく変わってしまうんです。神力(数値)×密度=実際の出力、という感じですね。効率よく神力を使うには、出力の調整に加えてこれを上げていく必要があります」
「密度はどうやって上げればいいんです?」
「地道に修行していくしかありませんね。経験値とも比例するので、ひたすら神力を使っては回復させてを繰り返していく以外に方法はありません」
経験値、か。
神族になって日が浅いオレに圧倒的に足りてないものだな。
いやでも、地道な努力は得意分野だ。
そして器のサイズが大きいというのは、相当プラスに働くはず。
よし。
いつか必ずランクBとして恥ずかしくない、ランクAになるにふさわしい神族になってやるぞおおおおおお!!!
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