第161話 連休初日は「精霊祭」へ!

 久々の2連休。

 1日は家族サービス――というかハクのために使おうと思っていたが、緊張の糸が切れたのかぐったりしてしまい、起きたのは夕方前だった。


「最近あまり構ってやれなくて悪いな」

「いえ、今が頑張りどきですから。僕のことは気にしないでください。応援してますっ!」

「……そ、そうか、ありがとう」


 最近、目が覚めると毎日のようにハクが布団に潜り込んでいる。

 もちろん、今もオレの腕の中だ。


 ――まあ、リエンカ家に行く日はほとんど終日いないしな。

 このくらいは許してやるか。


 ハクの髪の毛を撫でると、気持ちよさそうに一層すり寄ってくる。

 見た目が年頃の女の子であることは、極力考えないことにした。


 いやでも、性的なあれは抜きにしてもやっぱ可愛いよなあ。

 髪の毛もツヤツヤしてるのに触るとふわっふわだし。

 肌なんて陶器みたいだ……。


「もう夕方だけど、これからどうしようか」

「――はっ! そういえば、今日は精霊祭があるんでしたっ!」

「精霊祭?」

「数年に一度の盛大なお祭りだそうです。悠斗様お忙しそうだったので無理だと思ってましたが、もしお疲れでなければいかがですか?」


 精霊祭というのは、元々は森精霊たちの伝統的なイベントで。

 街全体を飾りつけ、それぞれ得意分野を活かした屋台やら何やらを出して盛り上がろう!というものらしい。


 前の星での迫害により数が減ってしまったことで開催が難しくなり、ここ数年はやっていなかったが。

 ラテスへ来て、水精霊や風精霊、炎精霊、山精霊との交流も増えてきたため、ほかの精霊たちも巻き込んで復活させようという話になったらしい。


「たしか、夜の7時から始まるって言っていたような」

「今は――夕方4時か。それなら参加してみるか!」

「はいっ!」


 精霊たちのお祭りか――。

 想像がつかないけど、なんかすごそうだな。

 最近忙しくてあまり顔出せてなかったし、そういう意味でもちょうどよかった。


 オレが神界へ行っている間は、ラテスのことはハクが管理してくれる。

 ハクの管理能力がオレの比じゃないのは言うまでもないことで、だから特に困ることはないけど。

 でもやっぱり、たまには自分でも様子を見ておきたい。


 ランクBの上級神族になり、気づけば神界一の数値を持つ神族になって、名門神族であるリエンカ家に入る話が正式に決まって。

 自分を取り巻く環境が、どんどん途方もない規模になっていく。


 でも、だからこそ。

 このラテスという星を、【完全未開拓惑星】だった星を、始まりの場所として大切にしていきたい。

 何がどう変わっても、オレの第二の人生はここから始まっているのだ。


「……フィーネも誘ったら行くかな」

「今はお部屋でお仕事中のはずですよ。誘ってみてはいかがです?」

「よし、誘ってみるか。3人だと、なんだか家族感が一層増しそうだな」

「あわわ、悠斗様だけでも恐れ多いのに、フィーネ様もだなんてそんなっ!?」


 今日は楽しい夜になりそうだ。

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