第152話 どうも、チート神です(白目

「とにかく、一度中断して大神殿に行きましょう。今後のために、詳しく調べてもらったほうがいいわ。今日必要な分は十分収集できたから」

「……わ、分かりました」


 結界への神力奉仕って、たしか10:00~11:00って書いてたよな?

 まだ部屋に入って15分経ってないんだが。

 というか神力がクリエレベルってどういうことだ?

 クリエさんってたしか、名門神族なだけじゃなくてランクSの天界神族だよな?


「……あの、オレの体、どこかおかしいんでしょうか」

「え? いいえ、あなたは何も心配しなくてもいいのよ。あなたがどんな存在であっても、リエンカ家で責任を持つと決めているから」

「せ、責任……」


 まあ、オレの体がどうであろうとオレのせいじゃないけど。

 フィーネのミスのせいだし、リエンカ家が責任を持つのも当然かもしれないけど。

 それでもやっぱり、気にはなる。

 今となっては救われた、世話になったという気持ちの方が大きいし、迷惑はかけたくないんだよな……。


 オレはフォルテに続いて、【神殿への門:大神殿】を通って大神殿へと向かう。

 フォルテが事前に連絡していたのか、大神殿に着くと再びクリエが出迎えてくれた。


「こんにちは~。ようこそ大神殿へ」

「あ、こ、こんにちは……」

「母様から話は聞いたわ。一度、数値を測定させてもらうわね~」

「すみません、お願いします」


 いったい何をされるのだろうか?

 なんとなく実験動物になった気分で怖い――なんて思っていたが。


 案内された部屋にあったのは、直径2mほどの巨大な水晶(仮)だった。

 水晶(仮)は、占い師がよく使っているような台形の低い台で固定されていて、その部分も似た材質でできている。


「それじゃあ神乃悠斗くん、この神球に両手を置いてくれるかしら」

「は、はい」


 ――神球っていうのか、これ。

 いったい何でできてるんだ?


 そんなことを考えながらそっと手を置くと、石のようなひんやりとした感触がじわっと伝わってきた。


「それじゃあ、測定を始めるわね~。水晶に力を送るイメージで、力を流してもらえるかしら」

「やってみます」


 クリエはオレが手を置いている場所と反対側に両手を置き、何やらよく聞き取れない言語で詠唱を始めた。


 力を流すイメージ……こうか?


 クリエに言われた通りイメージすると、神球と自分の力が繋がったのを感じた。

 神球が、ぼうっと白い光を放ち始める。

 が、光が安定せず、何かは分からないが妙な違和感があった。


「――――これは。思った以上ね」

「え」


 いつもふわふわした喋り方をするクリエの声色が、真剣なものに変わる。


 神球に手を置いて、1分ほど経っただろうか。

 どうやら終了したようで、クリエから「お疲れ様」と声をかけられる。


「あの……?」

「ええと……何がどうしてこうなったのか分からないんだけどね~、ステータスが高すぎて測れなかったわ」

「――は?」

「こんなの初めてで……何か特別なことした覚えはある?」


 いやいやいやいや。

 大神殿でステータス高すぎて計れないって。

 そんな特別なことした覚えねええええええええええええええ!!!

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