第7章 神様ランクB オレにできること
第147話 新たな仕事が始まる前に
フォルテに言われたとおり、5日後からのシフト希望を入力し終えて。
あとは日程が確定するのを待つ状態となった。
――最低でも5日は、神様活動に集中できるってことだよな。
これから忙しくなるわけだし、もう少し星の開拓を進めておくか。
ダンジョンの出現で南下を阻まれたあと、スキル【神様】で世界のレイヤー分けを行なったことで、ラテスの森にも人族が入れるようになった。
結果その先にあるグラス高原やミステリ山脈にも行けるようになり、今では冒険を生業にする冒険者も増えてきている。
また、火山島の温泉街も好評で、長期休暇を取って島へ旅行する人々も現れ始めた。
ちなみに今は、人族側には人族の、精霊側には精霊のスタッフが働いている。
人族の居住区からは距離があるため、従業員用の宿泊施設も完備した。
勤務時間以外は温泉に入り放題となるこの仕事は、今や人気の職業だ。
「炎精霊さんたち、報告毎回楽しみにしてるみたいです」
「それはよかった。水着着用の文化だからできることだよなー」
火山島に人族が訪れるようになってから、残したい記憶を画像データとして残せるスキル【記憶ショット】を用い、人族側の様子を炎精霊に送っている。
人族たちが気持ちよさそうに温泉を満喫する様子、宿でくつろぐ様子を見て、炎精霊たちは嬉しそうに顔を綻ばせてくれる。
これがラテスの現状だ。
まだまだ未開拓の部分も多いが、とりあえず活動領域はそこそこ広がったと思っていいだろう。
べつに全員が全員、世界中を旅するわけじゃないしな!
焦ってインスタントな開拓を進めるよりも、今後も今まで通り地道な活動を続けていきたい。
「砂漠や雪原もほしいよな。あと地球には存在しなかったけど、水中都市や空上都市も創ってみたい。前に異世界を旅してまわった時に見つけてさ」
「夢が広がりますね」
「そうだな。あと3回くらい人族を救済召喚して、それから氷精霊も呼びたいな」
「一度世界を最低限完成させて、それから相性のいいスポットに召喚民を配置していく、という手もありますよ」
「なるほど。それもアリだな。それなら先に開拓を済ませるか。まず、ざっくりとした完成図を考えて、それに沿ってやっていこう」
「はいっ!」
こうしてオレは、ハクとともにああでもないこうでもないと言いながら、1日かけてラテスの大まかな世界地図を作っていった。
――やってみると、思った以上に考えやすくなるな。
作ってよかった。
「というか、ラテス国って一括りにしてるけど、これちょっと大きすぎるんだよな。ラテスとエクレアの民って元々全然違う世界の住民たちだし、もういっそ国として独立させるか? 周辺まるっと括る形で」
「それがいいかもしれませんね。ラテスとエクレアはちょうど川で区切られてますし、川を国境ということにするのはどうでしょう?」
「お、いいなそれ」
――となると、サイズ的にこの大陸にあと4つくらい国が作れそうだな。
それから火山島の奥のスペースにもう1つくらい島を創りたい。
あと対局線上にも火山島くらいの島なら創れそうか。
それから、1つくらい極小の島なんかもあると楽しいよな!
「――よし、これでどうだ? ラテスの全体像ができたぞ!」
「おおおおお!」
ハクがパチパチと拍手で承諾してくれる。
ここまで決まれば、あとは地道に作っていくだけだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます