第118話 神様ランクBに昇格する方法

『それから、ハクを使える期間のことだけど。神様としての転生には2種類あって、才能を見込まれて召喚されるパターンと、何等かのご褒美として召喚されるパターンがあるの。そして前者には【モフモフ先生】、後者には【何でもしてくれるモフモフ】が渡されるわ。ハルト君は例外だからどっちでもないけど、でも罪滅ぼしに後者ということにしたんでしょうね』

「な、なるほど……」


 罪滅ぼしならもっとちゃんと説明してほしかったけどな!!!

 危うく卵食べるところだったし!!!


『で、問題はここからなんだけどね。後者の場合、大半がランクEで終わるのよ。モフモフを使役して好き勝手して、そのまま人間か少し長いくらいの寿命を全うして死んでいくの』

「え、人間と同じくらい……?」

『ああ、ハルト君は違うわよ。あなたはもうランクCの立派な神族だもの。でもだから、ほとんどはその死んだ時点が返却日ってことになる。でも君はなぜかモフモフを使役するんじゃなくて自分で動いて、先生もなしにランクCにまでなっちゃって。だから正直、フィーネも困ってるでしょうね』


 えええええ。

 まじか。そんなプランが想定されていたとは知らなかった。

 じゃあ、本当はハクを返さなきゃいけない――ってことになるんだろうか。

 いやでもそれは――それは嫌だ。


「……返却せずにいる方法はないんですか」

『うーん、まあ根本的にハクの所有者がフィーネってとこに問題はあるけど、そこをクリアできるとするなら、ハルト君がランクBになることかしらね。ランクBになって、フィーネからハクの所有権を正式に譲ってもらう。それができれば、もう返却の必要はなくなるわ』


 フィーネのことは――まああとで考えるとして。

 それなら可能性はあるってことか!


「オレ、ランクBになりたいです。それはいったいどうしたら――」

『……ここまで言っておいてなんだけど、ランクBっていうのはそんな簡単になれるものじゃないの』


 リンネはそう、表情を曇らせる。


『ランクCまではね、中級神族っていう、まあごく普通の神族なのよ。でもランクBになると、上級神族としていろんな義務が付随してくるの。今みたいに好き勝手な生活はできなくなるわよ』


 ――義務。

 そういや、前に読んだ本にランクBになるには試験を受けて合格する必要があるとか書いてあったな。


「具体的には、何をしたらいいんですか?」

『まず昇格試験の前に、どこかの名門神族の下について働いてもらうことになる。ハルト君なら、まあうちでしょうね。勉強と訓練をしながら働いて、仕事を覚えて、その家の許可があって初めて試験を受けられるの』

「今管理してる星はどうなるんです?」

『もちろんそれはそれよ。星の管理に加えて、ということになるわ』


 ――なるほど。それはたしかになかなかに。


『ハルト君がどうしてもなりたいっていうなら反対はしないけど、まあ一応フィーネの意見も聞いておいたほうがいいでしょうね』

「……分かりました。いろいろと教えてくださりありがとうございます」


 ――なんというか、うん。

 普段はフィーネがあんなんだから忘れてるけど、名門神族ってやっぱすごい力持ってんだな……。

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