第70話 あとは任せた精霊たち!!!
夜、オレとハクは【カプセルホテル】の一番いい部屋に泊まり、窓を全開にして星を眺めながら眠ることにした。
時折優しい風が吹いてカーテンを揺らすが、寒さは感じない。
ちょうどいい気候だ。
空に見える星の中にも、オレのような神様が開拓している惑星があるのだろうか?
いつか機会があったら、ほかの転生者が作った星も見てみたい。
隣では、ハクが寝息を立てている。
別室にすべきかとも思ったが、ずっと一緒に暮らしていて今さらだし、ベッドも大人が5人は寝れそうな広さだったため同じ部屋にした。
まあ、5人寝れそうなベッドで横にぴたっとくっつかれてるんだけど!
服(ハクいわく体の一部らしいけど)も布団と擦れて僅かに乱れてるし、この無防備な姿はさすがに目の毒だ。
おかげでオレは、ハクはモフモフでアイテムなのだと100回くらい念じてから寝ることになった。
朝、オレは窓から差し込む陽の光で目が覚めた。
「んん……」
「おはようございます」
「おお、おはようハク」
見慣れないベッドに見慣れない部屋、そして窓の外に見える見慣れない景色。
そこで初めて、オレは今自分の家ではなく遠く離れた場所のホテルにいるのだと思いだした。
「よく眠れたか?」
「はい。もうすっかり元気ですっ。いくらでも飛べますし走れます」
「はは、それはよかった」
今日は朝食後いったん家に戻って、昨日ここに来る途中で撮影した【記憶ショット】を整理しつつ【ラテスの地図】を確認しよう。
新しくできた場所に地名もつけなきゃな。
ここから先は、精霊たちの力とデザイン力に任せよう。
オレは【カプセルホテル】をカプセルにしまい、ハクと一緒に持ってきていたモモリンやブカンを食べて空腹を満たし、家に帰ることにした。
帰りは、昨日とは少しずれた道を通ってみる。
するとそこに、2つめの洞窟を発見した。
もう少し開拓が進んだら、改めて洞窟の中を探索しよう。
こうした未開の地は、やっぱり何歳になってもテンションが上がってしまう。
途中で休憩がてら昼食をとり、いつもの森とグノー村を抜けて、14時ごろには家にたどり着いた。
「ハク、お疲れ様。疲れただろ。休んでていいぞ」
「ありがとうございます。ご主人様は、これから精霊たちのところに?」
「ああ、うん。あとのことは精霊たちに任せる予定だし、早い方がいいと思ってな。まあまだ地名考えてないけど」
「そうですね。分かりました。いってらっしゃいませ」
「ん、いってくるよ」
オレは森精霊、水精霊、風精霊それぞれに、森の開拓を進めたこと、その先には草原と湖、山があることを伝えた。
精霊たちは皆喜んで、早速行ってみますと返してくれた。
――DMで伝えるって手もあるけど、やっぱりこういうお知らせは面と向かってしたほうが喜ぶ顔が見られていいな。
報告を終えて家に帰ると、ハクはスヤスヤと眠っていた。
1泊してゆっくりしたとはいえ、2日連続で結構な距離を移動してもらったし、さすがに疲れたのだろう。
今日は人族を都市ごと召喚できるのかを調べて、あとは地名を考えて過ごそう。
カタログから直接だと、掲載されている人族や精霊のみしか召喚できないけど。
でもこれだけいろんなことができるわけだし、きっと何か方法があるはず――。
オレは神様カタログのアイテムとスキルを隈なくチェックし、打開策を考えた。
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