第39話 星の名前が決まったぞおおお!

「そういえばご主人様」

「うん?」

「そろそろ、この星に名前をつけませんか?」

「……え?」


 あれ、そういえば名前がなかったな。

 というかオレがつけるものだったのか。


「星の名前は、どこかに登録したりするのか?」

「ステータス画面から変更すれば自動で届け出も提出されます。でも一度つけた名前は変えられないので慎重に」

「なるほど」


 ――星の名前か。何にしようかな。

 そういやこの星、【完全未開拓惑星】って名前(?)があったな。

 惑星……プラネット……プラネテス……


「よし、ラテスにしよう」

「ではこの【完全未開拓惑星】をタップして、【ラテス】に変更してください」

「そんな簡単に変えられるのか」


 言われた通り変更すると、表示が【ラテス】に変わった。


「名前がつくと、なんとなくより愛着が湧くよな」

「ではせっかくなので、この国と村の名前も付けてしまっては?」

「うーん、じゃあこの島をラテス国って国にして、村の名前もラテス村にしよう。中心地として分かりやすいし」

「なるほど。いいですね。【世界地図】を見てみてください。恐らく、変更されているかと思います」


 ――そういやそんなものがあったな。

 あんまり役に立たないからすっかり忘れてた。


【世界地図】を開くと――

 以前の何もなかった状態から変化が起きていた。

 地図の端には【ラテス】、今いる島には「ラテス国」と表示され、国名をタップすると国を拡大表示することもできる。

 そこには「グノー村」「ラテス村」と追加され、道や建物の様子もよく分かる。


 へえ。なるほどな。

 こうしてオレが認識すると、詳細がはっきり分かるのか。

 これは今後のためにも、一度島を探索する必要がありそうだな。

 そしていずれは、島の外の世界も――。


「よし、そこの川はラテス川にしよう。で、グノー村がある森はラテスの森」

「統一感がすごいですね」

「別々の名前をつけると忘れそうだしさ。まああれだ、首都みたいなもんだ」

「なるほど!」


 つけた名前は、次々と【世界地図】に刻まれていった。


 この森はいったいどこまで続いてるんだろう?

 未だほとんどが謎に包まれたままのこのラテス国をどうにかしたい。


 それにしても、目にした場所が次々と地図に記載されていくって、どこかのダンジョン探索ゲームみたいだな。

 まぁここ数年は仕事に追われてゲームなんてする余裕もなかったし、残念ながらお決まりの「転生したら見知ったゲームの中でした」とはいかないんだけど。


 というか、よく考えたら水精霊たちはどこに住むつもりなんだろう?

 川は綺麗ではあるけど、さすがに魚みたいに川の中を漂うことはない。はず。

 サイズは人間と変わらないし、川の深さは場所によるがそんなに深くない。


 となると川辺とか?

 いや、海という可能性も……。

 それか案外、生活する場所は普通に人と変わらない可能性もある。


 どこか住みやすい場所が見つかるといいんだけど。

 この近辺に綺麗な湖――なんて都合よく見つかったりしないかな。

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