第15話 風呂、そしてこれからのこと

 ドアと窓の施工が終わり、風呂にお湯を張ることにした。

 材質が木であることが若干不安ではあったが、実際お湯を入れてみると案外染みこむこともなく、むしろ何となく高級感のある風呂が完成した。

 作りたてなこともあってか木の香りも強く、まるで森林浴をしているかのような気分にさせてくれる。


 ちなみにお湯は、フィーネに言われた通りスキル【水】で溜めた水を【炎】で温めた。

 思ったほど時間もかからず、周囲には湯気が立ち込める。


 ――よし、こんなもんかな。


「ハク、お湯が沸いたぞ。おまえ先に入るか?」

「そんな! ご主人様お先にどうぞ。それに僕は熱いのはあまり得意じゃないので、もう少しぬるくなってから入ります」

「あ、そうか。悪い。じゃあ先に――あ」


 そういやボディーソープやシャンプー、コンディショナーがいるよな。

 あと風呂用の椅子と洗面器、それから体を洗うタオルもか。


 オレはそれらを【SHOP】で購入し、この世界に来て初めての風呂に入った。

 髪と体を洗って湯舟につかると、ふっと体の力が抜けるのを感じる。


 ここに来てから、何もかも分からないことだらけだった。

 自分ではあまり気づいてなかったが、緊張で疲れていたのかもしれない。


 オレはお湯の中で半分まどろみながら、ぼーっとこれからのことを考えた。

 今はまだ、自分とハクの生活環境を整えるだけでやっとだ。


 でも、それが終わったら?

 次はいったい、何をすればいい?


 次フィーネに会ったら、ほかにどんなスキルがあるのか聞いてみよう。

【神様用の飴】もまだあと4つ残ってるし。

 それから神様アイテムについてももっと知りたい。


 ずっと2人というわけにもいかないだろうし、住民も増やさなくてはならない。

 けどいったいどうやって?

 もしかして、オレとハクで――?


 いやいやいやいや。

 あいつの本来の姿は狼だし、そもそもアイテムだ。

 何かべつの方法があるはず。ないと困る。


 というか、何考えてるんだオレ……。


 あと、家電製品も使えるようにしたいよな。

 地下の鉱石が持つエネルギーでこの世界が成り立ってるってことは、それを電力にできれば家電も使えるんじゃないか?

 シャワーや洗面台もほしいし、洗濯機や冷蔵庫もないと困る。

 できれば炊飯器もあってほしい。

 今のポイント数では到底足りないだろうけど。


 ――ハクに聞けば何か知ってたりすんのかな。

 あとで聞いてみるか。

 今日は何を食べようかな。

 ポイントはまだ余裕があるし、食材をいくつか購入するか。

 昨日米を買ってあるし、リゾットなんてどうだろう?

 作ったことはないが、あれなら炊飯器がなくても煮込めばどうにかなりそうだ。

 ハク、喜ぶといいな。


 今日の夕飯が決まったところで、オレは風呂をあとにした。



 名前:カミノ ハルト

 職業:神様 Lv.12

 スキル:【神様】【理の改変】【建築】【水】【炎】

 所有アイテム:【完全未開拓惑星】【何でもしてくれるモフモフ】【神様用の飴】【世界地図】【神様の土】【神様ロープ】

 所有ポイント:12750pt

 所持金:7900G

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る