第12話 肉の果実で焼肉してみた

 牛肉のような肉がなる木のおかげで、たんぱく質の確保が可能となった。


「肉なら焼きたいよな」

「ポイントが増えていると思うので、何か使えるものがないか見てみてはいかがでしょう?」

「【ステータス】!」


 名前:カミノ ハルト

 職業:神様 Lv.7

 スキル:【神様】【理の改変】【建築】

 所有アイテム:【完全未開拓惑星】【何でもしてくれるモフモフ】【神様用の飴】【世界地図】【神様の土】

 所有ポイント:6000pt

 所持金:4200G


 作業を頑張った甲斐あってレベルが7になり、所有ポイントと所持金がだいぶ増えていた。


「た、助かった……! 道具がなさすぎるから、今回の所有ポイントで生活用品を買いそろえよう」


 ライター:100pt

 :

 歯ブラシ:150pt

 :

 塩コショウ:200pt

 お米2kg:1200pt

 :

 包丁:1800pt


「これを1つずつ買えば3450ptか。着替えもほしいよな」

「僕のこれは体の一部なので、服はご主人様の分があれば問題ないです」

「体の一部!? ま、まじか。それなら足りるかな」


 下着(男):300pt

 Tシャツ:500pt

 ズボン:800pt

 靴下:200pt


「これで5250ptだな。今はこれくらいにしておくか」


 購入ボタンを押すと、家の中でドサッという音がした。

 どうやら「拠点」としているログハウスに届いたようだ。


「あとは包丁でこの肉を薄く切って、スキル【神様】で石のかまどと石板を作って、薪をくべて火をつける」

「こ、これは――焼肉ですねっ!」


 ハクの目がキラキラと輝いている。

 元々巨大な狼だし、やっぱり肉が好きなんだろうか。

 うずうずと心待ちにしているのが伝わってくる。


 オレは下準備を済ませて、肉の実を2~3個取ってきて5㎜程度にスライスし、石板の上に乗せた。

 熱せられた石板の上で、肉がジュウウウウっという良い音を立てる。

 同時に、焼けた肉のうまそうな匂いが漂ってきた。


「そういやおまえ、塩コショウ使って大丈夫か?」

「はい。食べなくても生きていけますが、食べられないものもありません!」

「便利だな!?」


 肉に塩コショウをふって、焼けたのを確認する。


「ハク、食っていいぞ」


 木の枝で作った箸を渡すと、ハクはうまく使いこなして肉を口に運んだ。


「――っ熱っ!? あわ、はふっ。で、でもおいひいれすっ」

「ああ、ごめんごめん。熱いからって言うの忘れてた。まだあるから、ゆっくり気をつけて食えよ」

「はひ……」


 ハクがおいしそうに食べる様子を見届け、オレも同じように箸で肉を頬張った。


「うまっ! というか味も見事に牛肉だな。しかも肉質もかなりいい。そのうち豚肉の実とか鶏肉の実とか出てきたりして」

「たぶんですが、ご主人様が初日に食べたというステーキが影響したんだと思います。お肉が食べたい、と思いながら力を使ったんじゃないですか?」

「ええ……。いやまあ、正直考えてはいたけどさ。でもそんな」

「神様ですから。時には奇跡も起きますよ。多分」


 初日からステーキなんて馬鹿なことをしたと思ったが。

 もしそれのおかげでこの牛肉の実ができたのなら、初日の自分に感謝だな。

 あの駄女神には感謝なんてしてやらないけど!

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