第10話 新たな神様アイテムを手に入れた!
翌朝。
オレは頭の下にモフモフ――ではなく何か弾力を感じて目が覚めた。
「んん……なんだ?」
目を開けると、そこには上からオレを覗き込むハクの姿があった。
狼の姿ではなく、人の形で。
「っうわっ!? え、じゃあこれは……」
「おはようございますご主人様」
「おまっ……何やってんだ!?」
慌てて飛び退くオレを見て、ハクは相変わらずの無表情で首をかしげる。
「ご主人様は膝枕をご存じなかったですか。これは膝を枕として差し出しているだけなので、そんな警戒しなくてもべつに食べたりしませんよ」
「いや知ってるよ! 知ってるけどそうじゃなくて!!」
――はあ。こいつの性格がいまいち読めないな。
あくまで自分はアイテムだと思ってるらしいけど、実際そうなんだろうけど、もう少しこちらの心境も理解してほしい。
「今日は昨日の続きをしましょう」
「そ、そうだな。ええとまずは」
オレはステータス画面を開いて状況を確認する。
名前:カミノ ハルト
職業:神様 Lv.3
スキル:【神様】【理の改変】【建築】
所有アイテム:【完全未開拓惑星】【何でもしてくれるモフモフ】【神様用の飴】【世界地図】
所有ポイント:0pt
所持金:3000G
「おお、アイテムが増えてる。【世界地図】か。これは助かるな」
せっかくだし、地形と現在地を確認しておくか。
ステータス画面にある【世界地図】をタップすると、そこにこの惑星のものと思われる地図が表示された――のだが。
「なんだこれ……」
地図には中央付近を大きく陣取る、地球でいうアフリカ大陸を60度ほど右回転させたような形の島が1つだけ表示されており、その左端やや上部で2つの点が点滅している。
恐らくこの点がオレとハクだろう。
しかしそれ以外はどこもかしこも真っ黒で、この島の外がどうなっているのかまったく分からない。
「この【世界地図】は、ご主人様が認知している場所しか表示されません。神様が認知していなければ、ないのと同じなので」
意味ねえええええええええええええ!
いやでもまあ、自分がいる場所が島で、この惑星全体でこれだけの割合を占めている、ということが分かっただけでも少しはあれか。
「この外がどうなってるのか分からないけど、まずはこの島の開拓を目指そう」
「スキルを使用するのに必要なSPも回復しているので、また【神様】や【理の改変】が使えるようになりましたよ」
「おお、よかったよ」
さて、今日は【理の改変】で何をどうしようか。
とりあえず、食料が手に入れられる環境が欲しいよな。
この世界の植物は、鉱石力で育っているらしい。
そのため実をつける必要がなかったのか、実のなる木が一切存在しなかった。
でも、それでは困る!!!
つまり、今日変える理はこれだ。
が、念のため何か条件を設けて、その中で効力を発揮するようにしたい。
そういう都合のいいアイテムは――
【神様の土】1㎏ 1200G
【神様用の飴】5個入り 1000G
【神様ロープ】1束 600G
【神様の土リカバリー】1袋 500G
「この【神様の土】と【神様ロープ】って何か分かるか?」
「【神様の土】に植えると、神様アイテム以外であればなんでも複製することができます。植物はもちろん、この世界で手に入れたものやptで購入したものもすべて対象です。ただ、完全な形で植えなければ無効になります」
なん……だと……
そんな便利なアイテムがあったならもっと早く出してくれよおおおおお!
昨日の菓子パン1つ埋めればよかった!!!
「【神様ロープ】は、これで囲った場所を隔離することができます。例えば、囲った中だけにスキルを発動させたり、逆にそこだけ無効にしたりも可能です」
「なるほど。どっちもかなり便利そうだな」
所持金は3000Gある。
オレは【神様の土】と【神様ロープ】を1つずつ購入することにした。
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