第16話 地球同盟と龍刈り②
その時、モニターにマスクをかぶった男性の顔が映し出された。
「地球同盟にようこそ田所拳優君」
「あっはい、よろしくおねがいします!」
「これから、君は幾多の戦場に赴くことになるでしょう、しかしこれだけは忘れてはならない、光あれ、光の勝利」
「…わかりました」
僕は改めて、戦場に行くんだな、と思った。ハタ師が、
「この方が地球同盟総司令官のレイさんだ」
と説明してくれた。ハタ師はレイ総司令官に、
「例の遺伝子操作薬でレプタリアンにされた人間をもとに戻す薬はどうなった?」
と問うた。僕もそれは気になっていた。するとレイ総司令官は、
「できたよ、エメリアに渡してある、使用するといい」
と答えた。僕はほっとした気分になった。エメリアから、ハタ師に薬は手渡され、
「では失礼する」
という言葉とともにモニターが切れた。僕は、まだなれていないせいか、少しあがっていた。するとさっきの、金髪ショートの子が僕に話しかけてきた。意外にもその子は女の子であった。
「ハタ師ほどのひとが見込んだ男の子だからどんな子かって気になっていたけど、大したことなさそうね」
「なんだって!」
僕がいきりたつとエメリアさんが、二人をなだめるように、
「まあまあ、そのくらいにしときなさいね」
と言った。僕はむっとした気分で、
「君も龍刈りなのかい?」
と聞いた。
「そうよ、私は日天流の川上ミズナ」
と答えた。僕は、頭を掻きながら、
「よろしく頼む」
と言った。ミズナも少し緊張の糸が解れたように、
「了解」
と答えた。ハタ師が、
「今日はご苦労、もう帰っていいぞ」
と言ったが、なにかもうしばらくここにいたいという気持ちに駆られた。
「もう少し、ここにいていいですか?」
僕が言うと、ハタ師はふふっと笑って、
「好きにしろ」
と言ってくれた。僕はその空間をぐるっと回って隅々まで見て回った。満足すると、
「じゃあ帰ります」
といい、その場を去ろうとした、するとハタ師が、
「これを渡しといてくれ」
とさっきもらった、遺伝子操作薬を僕に渡した。僕は、はいと言ってその場を去った。
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