第12話 月天流の技

「バンド解散しちゃったってホント?」

「ああ、というか喧嘩別れだな」

「方向性の違いってやつ?」

「いや、別に用ができてな」

「何々ー」

僕は少しムッとして、

「馴れ馴れしい」

と一言言った。あずさはそれを聞いてしゅんとなってしまった。

「やっぱりあの事件が原因なんだね」

あずさは言った。あずさが思っている内容とは違うのは承知の上で僕は、

「ああ」

と言った。あずさは、

「ごめん」

と一言言い、黙り込んだまま校門まで来た。校門にはアレナがいて、

「ハロー、ちょっといい?」

と僕を呼び止めた。あずさは先に学校に入り、僕はアレナに師匠が地球同盟に援助を要請してくれると告げると、大げさに

「オー、ユアベストフレンド!」

と言って抱きついた。その日は大それたことはなく、放課後を迎えた。今日から技の修行だ。いつもどおり小さなドアを開けると、建材の上にハタ師はいた。

「おお、きたか」

「お世話になります」

そう言うとハタ師は、

「早速技の修行だ、今日習得してもらうのは、チャクラをまとった剣で斬りつける技、合旦斬だ」

と言って、自らの剣でそれを体現してみせた。斬りつけた鋼材が真っ二つになった。

「すごい」

僕がいうと、ハタ師は、

「こんなのは基礎の技だ、ちゃちゃっと覚えろよ」

と厳しめの口調で言った。

「まず体内チャクラを全部を開く、それから丹田あたりから利き腕にエネルギーが向かうイメージをもつ、それで剣にチャクラをまとわせれる」

やってみろと目で促されたので、僕は体内チャクラを全部を開いた。実を言うとこれだけでも結構しんどい。しかしそんなことは言ってられない。そのまま丹田あたりのチャクラを回すとそれを、右腕に持ってくるイメージを持ってみた。暫くはうまくいかなかったが、

ものの30分ほどで、そのイメージが具現化し、剣にチャクラを纏わすことができた。

「よし、それでこの鋼材斬りつけてみろ」

とハタ師に言われるがまま、僕は鋼材を斬りつけた。

「キーン」

それは途中で、止まってしまった。五本ほどある鋼材の三本は真っ二つだったが二本残ってしまった。

「すいません」

そう言うとハタ師は、

「初めてでこれならまあ上出来だ」

と言ってくれた。

「思うに、チャクラの練量が足りてない、もっと丹田で練れ」

とアドバイスをくれた。次こそはと、丹田でチャクラを練りに練ってそれを剣に纏わす。

そして鋼材のさっきとは違う場所を斬りつけた。するとそれは、綺麗に真っ二つに斬れた。

「やった」

思わず声を上げてしまった。

「これが合旦斬だ、次いくぞ、次は飛び道具、双曲斬だ」

そして双曲斬習得の修行が開始された。

「双曲斬は合旦斬の要領で剣にチャクラを纏わし、それを標的に飛ばす技だ」

「はい」

「うまく飛ばすにはそれ相応の修練が必要となる、で。的を用意した。少し移動するぞ」

と言って、奥に行くよう促した。僕は歩き出した。そして少し開けた場所に、黒丸の的が数百用意されていた。

「用意するの結構苦労したぜ」

「お手数おかけします」

「いいんだよ可愛い弟子の成長のためだ」

とハタ師は、ははっと笑って、

「まず狙った的に当ててみろ」

と言った。わかりましたと言って僕はチャクラを手に纏わせ、よく狙って一番右側の的を狙って放出した。するとそれはあらぬ方向へ飛んでいき、真ん中あたりの一つの的に当たった。

「止まらずどんどんやってみな」

そう言われ、火がついた僕は、これを黙々と3時間こなしていた。的中率は八割くらいにはなっていた。そこでハタ師は、

「そろそろ時間だ、11時回っちまったからな」

と言い僕を家に帰した。まだ続けたかったし、続けて欲しかっただろうに。僕は少し苛立った。帰り道、またレプタリアンの匂いがした。

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