心と脳、魂の機能
時々、こんなことを考える。
脳は送信機のようなもので、
心は受信機のようなものではないかと。
知覚を通じて得た情報を心や身体に送信するのが脳で、
送られてきた情報を受信して処理するのが心といったイメージだ。
身体を動かすだけなら心は必要ないが、
コミュニケーションをとるために必要になってくる。
それに、
送られてきた情報を喜びや楽しさといった感情に処理できなければ、
ひとりで生きられはしても人生は退屈に違いない。
どんな映画や漫画、ゲームや小説にふれたとしても、
何も感じることがないからだ。
だが、脳が送ってくる情報が常に正しいとはかぎらない。
そうでなければ幽霊や妖怪は存在しなかっただろうし、
だまし絵といったものも生まれていないに違いない。
自分の目で見たものや耳で聞いたものを、
脳が正しく処理してくれている保証はないのだ。
誰かに言われたことを、
きちんと理解する前に発信してしまうこともある。
だから、思いこみで傷ついたり怒ったり、ぬか喜びしてしまったりする。
問題なのは、手先の器用さや足の速さ、頭の良さとは違って、
心は目に見えにくい機能だということだ。
感受性が強すぎてもよくないが、
あまりにも鈍感すぎるのもよくないわけで、
機能に優劣をつけるのも難しい。
ただ、所詮は生きていくための道具のようなものだと考えれば、
ほんの少しだけ心が軽くなる。
他の人と比べて劣っていても、
生きていくうえで足をひっぱられてばかりでも、
持っている道具の質が悪いだけだから仕方がないと。
もちろん、そんなふうに思ったところでつらいものはつらいし、
自分で自分を騙しているようなものだ。
根本的な解決にはならないし、
自分という人間の本体はどこにあるのかという疑問も生まれてくる。
だが、それについては簡単に答えがだせる。
心でも身体でも脳でもない、魂というものが人間にはあるからだ。
そして、どんな人も魂だけは機能に違いがなく、
平等に与えられているのではないだろうか。
それもまた自分で自分を騙しているだけなのかもしれないが、
少なくとも僕の心はちょっとだけ軽くなる。
ほんの少しだけでも、息をつけるのなら僕にとっては十分だ。
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