自己差別

 僕は、自分のことを差別している。


 どうせ自分なんか何をやってもうまくいかない。


 きっと同じことのくりかえしで未来に希望なんてない。


 どうせ誰からも愛されないし受け入れてもらえない。


 こんな自分なんか生きていたって仕方がない。


 自虐的な言葉の裏には、自分と他者との境界線がある。


 自分はこちら側の人間だから、あちら側の人たちとは違う。


 最初からあきらめて、自分の居場所や向かう先を決めつける。


 自分への差別をなくせたら、少しは世界の見え方が変わるのだろうか。


 イジメられた経験がなかったら、


 自分を差別することもなかったのだろうか。


 大勢の人たちに何年間も差別されて、


 事あるごとに境界線を意識させられた。


 さっきまで普通に話してた他クラスの生徒が、


 僕が何者かを知った途端に目つきを変えて態度も変わる。


 一生消えない烙印を押されてしまったかのように、


 いまも僕は過去の苦しみから逃れられていない。


 これからも、きっと逃れられることはないだろう。


 イジメられっ子という烙印が、他の誰の目に映らなくなったとしても。

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