第6.5話 アルカディア島

アルカディア島。

それは太平洋に浮かぶ四国と北海道を合わせた大きさの島。

アルカディア国という独立国でもある。

アルカディア島には魔法使いや魔物、ドラゴンも住んでいる。


元々、この島はエルフの土地だった。エルフ達は魔法が使え、その魔法を平和的に使い、土地を豊かにしてきた。魔物やドラゴン達とも棲み分けができており、争いはなかった。

そして、今から数千年前、人類がこの地にやってきた。心優しいエルフ達は歓迎した。それから長い時間をかけて、彼らは協力して自分たちの生活を豊かにし、人々は国をたてた。

人とは違い、エルフは長命で子孫を残すことにあまり積極的ではなかった。そのため、アルカディアに住む人類の数は増加したが、エルフの数は増えなかった。

人はエルフの使う魔法に憧れた。人を信用していたエルフ達は森に住む妖精に人も魔法を使うことができるようにしてほしいと頼んだ。エルフの頼みを聞いた妖精はアルカディア島に住むの人々に魔法の力とその力を使うために"ナヒノ"という木から作った杖を与えた。魔法の力は子供にも引き継がれた。

最初、人々は魔法の力を土地を豊かにするために使っていた。しかし、人々は気に食わない者に魔法の力を使って押さえ込むなど段々と魔法を乱用するようになっていった。ついには争いが起こり、多くの人が死んだ。怒った妖精達は人々から魔法を取り上げようとしたが、人々はそれに反抗し、独自に改良を重ねた魔法の力(攻撃魔法)を使って妖精達を殺し、妖精の仲間であるエルフにも襲いかかった。エルフは住処を追われ、人に殺されたり、移り住んだ先が魔物の縄張りとかぶっていたりと徐々に数を減らしていった。

アルカディアの人々は魔法の力であらゆることを思い通りにしてきた。そして今から700年ほど前、3億年前から存在してきた3体の精霊、エルク、ロール、アトミスのうちの一体、アトミスの怒りを人々は買った。アトミスと親密であった美しい女性をアルカディア国の指導者が手に入れようとして失敗し、腹いせとばかりにその女性を手にかけたのだ。凄まじいアトミスの力を前に剣や弓矢などの武器はもちろん、魔法は全く役に立たず、町は破壊され、人々は殺された。暴れるアトミスは二人の人物によって倒された。

アルカディアの人々は反省し、二度と悲劇が起こらぬように魔法の使い方を改め、後世のために出来事を記録した。

現在、アルカディア島は近代的な建物も建つなど発展している。魔法使いのみならず、様々な人種の人々が暮らしており、魔法使いはアルカディア島外での魔法の使用、島外への杖の持ち出しも禁止されている。世界各国と繋がりがあり、どの国からも飛行機や船で行くことができる。アルカディア島以外で見られる一般的な野生生物に加えて森や水の中には魔物が住み、場所によってはドラゴンも存在している。最後の生き残りのエルフ*が島を去ったため、アルカディア島からエルフはいなくなった。


*ロミ 第6話「エルフの子」参照







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ちょっとだけ異界な現実世界 愛のカテ @ainokate

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ