第3話   死神協会

 パトークが既に死神協会に報告に行ったが、レオンは自ら死神協会に出向いた。


 死神協会では、謎の不審死が既に何年も前から報告されていて、その調査もされていたらしい。


 どうやら調べてみると、その全てにグルナが関わっていたことが分かったという。


 レオンが出向くと、死神協会の所長がすぐに対応した。


 レオンの顔は、この上なく冷たく、怒りで目がつり上がっている。


 強い魔力を隠しもしないでいるので、空気が震えるほどの殺気を纏っている。



「この度はグルナがご迷惑をかけて申し訳ございません」



 所長は、流れる汗をハンカチでしきりに拭きながら、何度も頭を下げる。



?」


「それが、まだ見つかっておりません。申し訳ございません」


!」


「申し訳ございません」


!」



 レオンは静かな声で、淡々と話す。


 死神達は、レオンが一つの魂を追いかけ続けているのを知っている。



!」


「申し訳ございません」


!」


「はい、死神総出で捜索させていただきます」


?」


「それはできませんので、速やかにグルナを捕まえます。契約している魂も一緒に捕まえますので、どうかもうしばらくお待ちください」



 所長は溢れる汗をしきりにハンカチで拭いている。



!」


「ヘーネシス・アルカ・ピガースですね、はい!」


!」


「はい!それは、もう、はい!」


!」


「はい!」



 所長が起立して、頭を深く下げた。


 レオンは瞬間移動で屋敷に戻ってきた。


 屋敷には何重も結界を張り、外の見張りも増員させている。


 グルナが特攻してきても、瞬間で殺せるほどの人員を揃えている。



「お帰りなさいませ、旦那様」


「変わりはないか?」


「変わりはありません」


「しっかり警護を頼む」


「畏まりました」



 レオンは死神協会での強面から優しく穏やかな顔に戻り、アリエーテの元に歩いて行く。


 その頃、死神協会では、すべての死神を集めてグルナとヘーネシス・アルカ・ピガースの捜索が始まった。



「死神協会の危機だ。なんとしても早く見つけ出し始末しなければ、我々の命もなくなるぞ!いいか、間違いなく皆殺しだ!」


「イエッサー」



 死神達は人間界と魔界に別れて、捜索を始めた。



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