底辺Web小説家木尾原康弘。ヨムカク編集部山田~悲劇と喜劇の終焉?~
「……何も答えないところを見ると俺様の考えを受け入れるつもりはないんだな」
釘バット男は死臭を撒き散らしながらデスクから降りて山田の顔に力強く釘バットを押しつけた。
他の釘バット男達も次々とデスクから降りて近くにいる編集者達に近づいて行く。
「さあ、更なるトラウマを心に刻みつけてやろう」
釘バット男は釘バットを下げて。そのまま――山田にがっしりと抱きつき、頬擦りまでかまして来た。
「――っ!」
山田は声を出せなかったが、それは編集長以外の誰もが同じだ。腐乱死体の感触と臭いに堪え切れず失神する者も続出していた。
「さて、と。
釘バット男は満足すると山田から離れ、改めて釘バットを構え直す。
山田はどうにか意識を保っていたが、もはや失神寸前だ。
釘バット男は、ぶぅん! と釘バット一振りした。が――
――ボッ! ボボッ! ボウッ!
いきなり他の釘バット男達が真っ赤な
「――なっ!」
釘バット男が驚いて回りを見る。
「あっ! 根岸先生!」
勘の強い女性編集者が喜びの声を上げた。
藍色のパンツスーツを身につけた。五十歳前後のキャリアウーマン風の女性が編集部の出入り口から入って来た。
「ごめんなさいね。少し遅かったかしら?」
女性は少しだけバツが悪そうに言った。
「そんなことないです! まだ前みたいに誰も殺されていませんから!」
と言ったその女性編集者は以前。
『嫌な予感がするわ。知り合いの霊能者に相談しに行こう……』
そう呟いていた女性編集者だった。
「さて、そこの腐乱死体男をどうにかしなきゃ……いや、そいつある意味本体じゃないね」
彼女は霊能者
「そいつの守護霊が影響を与えているね。あんまり
根岸は数珠を右手に持ったまま、両手を合わせて、何やらぶつぶつとお経のようなものを唱え始めた。
その
「……不動明王……燃え行け……ソワカ!!」
根岸が数珠を持った手を前に突き出した直後。
ボワッ!
腐乱死体な釘バット男の体が紅い
それは生き霊返しであり、
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