ヨムカク編集部山田~パニックの予兆~
ヨムカクは巨大出版社
そのサイトが
それは読者が求める作品の傾向を測る目的もあり。各部門で受賞した者は書籍化や映像化の権利が与えられる。
あのあとエンジニアが連絡を受けて調べ始める直前に停電は直り、PC画面に羅列されていた文字は跡形もなく消え去った。
エンジニアが調べた結果ではサイバー攻撃の形跡はなく、停電の理由も分からないそうだ。
編集部内のPCにも
(ますます
今は十二月。
ヨムカクコンは何事もなく始まった。表向きにはだが。
しかし編集部では精神的に不安定になる者が更に続出……。
(無理もないか、俺でさえ釘バット男に殺された記憶を今でも夢に見てしまうんだから……それに今回のヨムカクコンには『ホラー部門』がある)
どれも力作揃いだ。
和風ホラー。ミステリーサイコホラー。都市伝説を絡めたホラー。その他諸々……。
だからなのか、あの釘バット男の存在からして
山田は釘バット男と関係がありそうな
木尾原周辺のアマチュアWeb作家達のアカウントもフォローしたがそれらに怪しげな様子はない。
木尾原は『異世界ファンタジー部門』に参加しており、遅筆な為か流行に乗れていない為か中々に苦戦しているらしい。
「上位ランカー達にどうやったら上位に入れますか? と
等と本気だかネタだか分からないことをツ○ートしていた。
他には嘆きや弱音等々のツ○ートが見られた。
しかし木尾原を励ます者も多く、わりと好かれていることも分かった。
(ならば――)
山田は再考する。
(木尾原はあの釘バット男とは関係ないのか?)
と……。
が、どれだけ論理的に考えても答えは出ない。
(取り敢えず。ヨムカクコンに集中するか)
それが山田の出した結論だった。
――数日後。ヨムカクサイトは予告なしのメンテナンスに入った。
サイトのシステムトラブルが起きた時。誰もがあの釘バット男と、編集部全てのPCに写し出された疑問符つきの文字の羅列を思い出し震え上がったが、それは単にシステム上のトラブルで、エンジニア達の手で解決出来るものだった。
しかし、とある勘の強い若手女性編集者の独り言を山田は聞き逃さなかった。
「嫌な予感がするわ。知り合いの霊能者に相談に行こう……」
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