主人公の会そのに。

隆之「え、えと」


テーブルの上に置かれたリストを読む春太、瞳也。


春太「…」

瞳也「…」


隆之「あの…どしたんです?」


春太「なんか…ずいぶんと女性関係だめだめなんですね」


隆之「!?」


瞳也「ああ…四人もひっかけるなんてな…御子柴よりひでえじゃねえか」


隆之「それじゃまるで俺が浮気したみたいな言い方じゃないですか!」


瞳也「いやおまえさ。許嫁がいるってのに、ほかの女に手ェ出そうするのはいかんぞ?」


隆之「う…す、すいません」


春太「まあ、しっかり許嫁のひとには断ってるからまだいいほうですけどね」


瞳也「まあ、親同士が勝手に決めたことらしいからな。不可抗力とも言えなくもない」


隆之「すいません…」


瞳也「うーん、御子柴はどう思う?」

春太「真堂さんの魅力ですか?」

瞳也「ああ」


春太「そうですねえ…最初はちょっとナヨナヨしてる感じはありますが、覚悟決めたらあとは一直線って感じですね」


瞳也「一直線…まあ、危ういっちゃ危ういけどな」


春太「でもとくに…白河咲良さんとのデート、あれはちょっと憧れます」


隆之「そ、そうかな」


春太「はい。手を差し伸べて、握るか握らないかっていう選択肢を与えるのがいいなと思いました。こう、強制的にじゃなくて」


隆之「あ、りがとう…」


瞳也「照れんなよ」


隆之「だって、人に褒められるのは慣れてませんし」


春太「…神山さんはどうなんです?」


瞳也「うーん、そうだなあ…真堂、おまえさ。女によって態度変えるよな」


隆之「へ?」


瞳也「同年代のやつに対しては守ったり守られたり。年下に関しては守る一択でずっと頼もしい。逆に年上に対してだと弱くなって、少し感情的になる」


隆之「そう…なんですか?」


瞳也「いやあ、上手いなあって思ったよ。相手のタイプを見事に見抜いて、相手の好みに沿って接する」


隆之「…ふぇ?」


瞳也「嘘嘘。ちゃんと言うよ。まあ、そうだな。おまえは大切なものをつかんで離さないっていう執念がある。下手すりゃあとんでもねえ武器だが、それでも味方にとっては心強いもんだ」


隆之「そ、それは…ありがとうございます」


春太「これでいいですね」


瞳也「…」


春太「次は神山さんです」


瞳也「だよ、なあ」


春太「ですよ」


作者「つづくよ」

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