日常編(キャラ崩壊注意)

女子会そのいち。

 白河邸の談話室。

 そこはなんか時空が歪みに歪んで、それぞれのルートを終えたヒロインが集まる場所。


 そこでヒロインの会、つまり女子会が開かれていたのである。


咲良「たっくんのHって、なんか最初はすごく優しいですけど、途中からすごく激しくなりますよね」


黒岩「ばっ!?」

紅子「かっ!?」


咲良「でも緩急の付け方がやたら上手くて…なんていうんでしょうね、ああいうの才能なのかなって」


黒岩「まあ…わからなくはないかな」


咲良「ですよね、黒岩さん!」


黒岩「うん…ていうか、せっかくこうして集まったのに、最初から飛ばすのは…」


紅子「…ないんだけど」


咲良「えっ?」

黒岩「んっ?」


紅子「わ…わたし、だけ…したこと、ない…」


咲良「あ…」

黒岩「おっふ…」


咲良「(どうしよう、私地雷踏んだかもしんない)」


黒岩「(ちょっと! この空気どうしてくれんの!? 下手したらあの重量ヘビー級ヤンデレ拗らせ女が暴れ出すかもしれないじゃない!)」


咲良「(しょうがないじゃないですか、私たち、ほかのルートに干渉できないんですからっ!)」


黒岩「(そりゃそうだけど…)」


紅子「わた…し…だけ…」


ナイフ袖からぽろり。


咲良「なぬっ!?」

黒岩「ぬわっ!?」


黒岩「やめなさい、自分を傷つけるのはぁ!」


紅子「離して〜! こうでもしないと落ち着かない〜〜!!」


咲良「姉さんにメンヘラ属性がくわわった!」

黒岩「RPG風に言うんじゃありません!」

咲良「あーるぴーじー? セ◯オワですか?」

黒岩「なんでそっちだけ知ってるのよっ!」


 数十分後…。


紅子「ふぅ…なんとかなったわね」


黒岩「おいセリフ取るな隠れヤンデレが」


紅子「なにをぅ! ヤンデレにもなれなかった存在感薄めのヒロインのくせに!」


黒岩「グハァ…」


紅子「自分のルート以外では死ぬらしいじゃない、あんた!」


黒岩「え…そなの?」


咲良「はい…私のルートでもばっちり…」

永井「私のときもそうでした」


紅黒咲「「「だれっ!?」」」


永井「それでは私はこれにて失礼いたします」


黒岩「…ていうか、本当にわたしってそんな…?」


紅子「しょせん作者に見捨てられた噛ませってところね」


黒岩「ぐふぅ…」


咲良「姉さん、そこらへんにしないと今回も死んでしまいます…」


黒岩「作者に…見捨てられた…噛ませ…存在感…薄い…」


永井「それでは、誰がヒロインとしての格が上か、勝負なさってはどうでしょう」


紅子「へえ、面白そうじゃない」


咲良「ですね。まあ、これはどう考えても…」


紅子「メインヒロインであるわたしね」

咲良「真ヒロインである私ですね」


…しばらくの沈黙。


紅子「あ?」

咲良「は?」


紅子「なに言ってるの? メインヒロインのわたしに決まってるじゃない。メインよメイン。これがどれだけ重要な役目かわかってる? 作品の要であり、顔なのよ」


咲良「しょせんは顔だけってことですね。というかメインのくせにたっくんとまともに結ばれてすらないじゃないですか。…シたこともないくせに」


紅子「か、かかかか体は繋がってなくとも心(臓)は繋がってるのっ! そ、それにまだアフターが残ってて…」


咲良「飽き性な作者が書くと思います?」


紅子「うぐ…」


作者「書くって。…たぶん」


咲良「作者のたぶんほど信じれないものはないですね。…ということで、たっくんの幼馴染であり初恋相手でもあり、なにより作者の推しである私の大勝利ぃー!」


永井「真堂君の貞操を早い段階で奪い、そして年上の色気+淫乱+守りたくなる属性持ちの裏ヒロインである私の勝利よ」


咲良「…」

紅子「…」


咲良「姉さん」

紅子「咲良」


咲良「帰りましょうか」

紅子「ええ…そうね」


………一時間後。


黒岩「…存在感…薄い…ってあれ、みんなは?」


ちゃんちゃん。


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