序章

水月七瀬

第1話愛の言霊

「言葉と言うのはねぇ、時に人を残酷にするモノなの。いいかい。覚えておきな!」

姉ちゃんはそう言った。僕はわからなかった。姉ちゃんはそう言うと僕の顔にナイフで刺した。僕は痛かった。でも、姉ちゃんは僕の顔にナイフをいつも刺してくる。赤い色した液体がダラダラと流れていた。いつも姉ちゃんは僕の顔にナイフを刺してくる。最初は痛かったけどもう慣れた。姉ちゃんは僕の顔を傷つけることを生きがいにしている。こんな僕だけにしか姉ちゃんの愛は分からない。きっと僕たちは生まれてきてはいけなかったんだ。

僕たちは気が付いた時から二人だった。大人の事情、そんなの関係がない。

「僕には一人の姉ちゃんだから。だからお願い。僕たちを引き離さないで」

「僕たちは何もしてないじゃない。変な姉ちゃんだけど。愛が溢れているんだ。確かに普通の姉弟ではないけど。歪んだ愛かな!」

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序章 水月七瀬 @joko_567

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