病気
遠くに見える小さな人影を見ながら、潰れてしまえばいいのにと思う。毎日がそれなりに過ぎていって、そんなに不満はないけれど、定職に就いてなくて、就活中という不安定な身分で、私はやはり、どこか今に不満なのだと思う。でもそういうこともあるよね。人の不幸を呪う時、自分の不甲斐なさも一緒に呪っている。だからこんなメンタリティを続ける限り、私は幸せにならないのだと思う。子供の頃からなんとなく、幸せという概念が嫌いだ。幸せそうな人を見れば、呪いたくなってしまっていた。大抵の人は似たような気分でいると錯覚していた子どもの頃に戻りたい。今や現実が見えていて、大抵の人は人の幸せをなんとなく祈っていると知っていて、だから私はやっぱり不満でいる。修羅の道を自ら望んで歩いている。内心。だから私は病気になったのかもしれないと思う。〇〇〇〇。これが私の病名。社会をなんとなく敵視してきた報いがこれだ。自分の身に不幸が起こればいいのにと何故か願ってしまう。気分は安定しない。万能感に浸ったり、暗い気分のどん底に落ち込んだりする。それが私の人生なのだ。いつまで続くか分からない。人間にしては未熟だと思う。犬か猫に生まれなかったのが不思議。いや、別に他の動物でもいいけど。純真無垢さなんて初めから持ち合わせていなかった。幼稚園児の頃から計算高かった。作家になりたかったけど、別にそんな高尚な仕事でもないと最近思いはじめている。命を削って世間様に晒すのだから、不思議な仕事だ。裸を常時見られているみたいな感覚なのだろうか、作家は。純文学以外ならそんなこともないか。でも私は良くも悪くも裸体を晒して生きる以外の生き方ができない気がする。狂ってる。どちらかといえば狂気寄りの心を持っていて、だから世間に馴染めない。正気がどうも苦手だ。善良さにも居所がない。なんとなく疎外感を感じて生きている。ずっと一人なような気がしている。申し訳無さみたいなものも感じる。
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