第6話 修学旅行〜告白〜

いよいよ、明日に修学旅行が控えている。



「お前、忘れ物ねーよな?」


「うん!多分…ない」


「多分って……」




私の部屋に入って行こうとする優哉。


私は先回りし、ドアの前に立ち塞がる。



「ちょ、ちょっと!待って!本当、大丈夫だから!」


「信用できねー!ほらっ!どけっ!」



私を押しのけ、部屋のドアを開ける。



「お前な〜…ちょっとは片付けろよ!」


「う、うん…分かっているんだけど…」


「全く」




そして、修学旅行に行くバッグの中身をチェックする優哉。




「そこまで神経質にならなくても大丈夫だから」





――― その結果 ―――




「お前にしてみれば上出来な方だな?」


「いや、完璧でしょう?」


「完璧とは言い切れねーな」


「そう?」


「そうだっ!」



そして、修学旅行日になり、修学旅行期間中、とある現場に遭遇した。



「ねえ、優哉君、私と付き合って!」


「悪いけど、今は誰とも付き合う気ねーから。じゃあ、そういう事で」


「待ってよ!」




そういう声がし、目を向けると優哉の姿と美人な女子生徒が向き合っていた。




「それだけカッコ良くて申し分ないのに私に見向きしないなんて」


「正直な気持ち言ったまでの事だけど?告白されて、“はい、良いですよ”って、そんな簡単に付き合う事、俺、出来ねーし。相手の事が好きなら、まだしも何とも思っていない相手と付き合えないっしょ?第一、ここ、俺以外にも良い男揃ってんじゃん!他当たれよ!」




グイッ


優哉を引き寄せ、キスをしようと顔を近付けていく。



「悪いけど、好きでもない人と、そういう事する気ないから!じゃあ!」




そして、修学旅行も終わり、コソコソ付き合う人が増えるのだった。







ある日の事だった。




「おいっ!廊下」



優哉が私の席に来ては声を掛けてきた。




「廊下?」

「男の来客」




ドキッ


私の胸が大きく跳ねた。




廊下に出ると中々のイケメンの男子生徒がいた。


優しそうな感じの男子生徒なんだけど――――




「ごめん…えっと、今日の放課後、屋上に来て貰えるのかな?」


「分かりました」





その日の放課後。



「ごめん。単刀直入に言うよ。邑城、彼氏いたりする?」


「いないよ」


「そっか。じゃあ、俺と付き合って欲しい」




ドキッ


まさかの突然の告白に胸が大きく跳ねる。




「私よりも可愛い子とか美人な子いるだろうし」

「ゆっくりで良いんだ。お互いの事を知った上で正式に付き合えたらと思って」




そして私は、ゆっくりと付き合う事にした。












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